【天皇賞・春】ブラック「信頼」ラスト12秒3に清水師涼しい顔

[ 2017年4月27日 05:30 ]

<天皇賞・春>CWコースでペイバックと併せて追い切るキタサンブラック(右)
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 「信頼」の二文字はそこかしこに漂っている。キタサンブラックが追い切りを終えて戻ってくるまでに武豊は清水久師のそばへ歩み寄って二言、三言の会話をするシーンがあった。

 濃い話、それともヒソヒソ話?!と想像しがちだが、拍子抜けするほどにたわいもない内容だった。その場面に武豊は「話?あんなもん。キタサンブラックの仕上げは厩舎サイドに任せておけばいいの。調教師と話はないのが一番。もし、電話掛かってきたら、なんかあったん?!とゾッとすると思う」と笑っている。

 レース本番の最終ミッションだけを託される武豊はすっかりハード調教の司令官が印象づいた清水久師を信頼し、同時に追い切りでまたがっている後輩の黒岩を信頼。これが流儀だ。

 もちろん信頼の二文字の先にいるのがキタサンブラックで年度代表馬はやはりたくましい。代名詞にもなったハードトレは大阪杯前に坂路3本乗りが話題になり、そこから今回まで1カ月にも満たない短い期間で今度はCWコース2周半を複数回も慣行。「4、5日はやったかな」と、トレーナーは涼しい顔だ。

 最終追い切りは3歳未勝利のペイバックを先導役とするも、そこを目掛けてズドンッという派手さなどは求めてもいない様子。黒岩はトレーナーに笑顔で「すぐソラを使おうとして1頭で走っているみたい」と報告。ラスト12秒3で半馬身先着のフィニッシュ。

 会見の席で武豊は「皆さんが思うように2強対決、という図式でしょう。有馬記念はあの差(首差)がなんとかならなかったか、と非常に悔しい思いをした」とサトノダイヤモンドへのリベンジを口にすれば、清水久師は囲み取材で「青写真の一枚としてあります」と、春3戦で好結果を残して仏G1凱旋門賞へ!の気構えを隠さない。キタサンブラックはサトノダイヤモンドを叩いて、対戦成績を1勝1敗としておくことに大きな意味がある。

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