【マスターズチャンピオン】55歳“レジェンド”今村3度目V!

[ 2017年4月17日 05:30 ]

<マスターズチャンピオン>歴代最多3度目の優勝を飾り、カップを掲げる今村
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 ボートレース津のプレミアムG1「第18回マスターズチャンピオン」(優勝賞金1000万円)の優勝戦が第12Rで行われ、1号艇の今村豊(55=山口)がインからトップスタートを決め、最多となるマスターズ3度目の優勝を決めた。2番人気に推された江口晃生(52=群馬)はまくり差す野長瀬正孝(49=静岡)ともつれ大きく後退。その野長瀬が2着、攻めた三角哲男(50=東京)が3着。

 泰然自若。何事にも揺るがず動じずの姿はレジェンドの称号に値するものだ。

 初日ドリームこそ4着に終わったが2日目以降は(1)(1)(1)(1)(2)。予選をトップ通過した。「マスターズ3回目の優勝」の声も聞かれるようになる。しかし盛り上がるのは周囲ばかり。当の本人は「なるようにしかならんよ」と、どこ吹く風だった。「目の前のレースを走るだけです」。準優12Rもただ目の前の1走に集中した結果、インからコンマ12の的確Sを決めて逃走。優勝戦もポールポジションとなった。

 迎えた大一番はゆったりとした枠なり進入。インからコンマ11の好Sも決めた。カドの三角がコンマ13で飛び出し、2、3コースがへこむ嫌なスリット姿となったが、今村は慌てることはなかった。しっかりとサイドをかけて1Mを巧旋回。差した野長瀬を寄せ付けず押し切った。

 「1マークは三角くんが見えて、一瞬ヤバイと思った。でも、エンジンは仕上がってたし、競って負けることはないと思っていましたから」

 強い逃げっぷりだった。今村自身も「全てが完璧だった」と振り返る。ゴール後には力強いガッツポーズを見せた。

 「優勝は何度してもいいものですよ。負けたくないという気持ちはいくつになっても変わらないです」

 まだまだ闘争心は衰えていない。「目標という目標はない。目の前の1走を真剣に走るだけ」。傾ける熱量の先が目の前の1走に変化しただけのことだった。

 今回の優勝で7月の丸亀オーシャンカップ出場はほぼ当確ライン。

 「SGという舞台に上がれるのは幸せです。選手冥利(みょうり)に尽きるしうれしいこと。その権利を取れたことは大きいですよ」

 11月には地元・下関でチャレンジカップが開催される。もちろん「結果、出場できればいいけど」とレジェンドは控えめに話す。それでも今村なら、さらなる“伝説”を刻んでくれるはず。まずは来月の福岡オールスターの活躍に期待だ。

 ◆今村 豊(いまむら・ゆたか)1961年(昭36)6月22日生まれの55歳。山口支部所属の48期生として81年5月徳山一般戦でデビュー。通算2704勝135V。デビュー3年1カ月目で84年浜名湖オールスターを制覇して以来、SG7Vを誇るボートレース界のレジェンド。同期には鵜飼菜穂子らがいる。

 ◆次走 今村豊の次走は20日からの芦屋一般戦。烏野賢太、高沖健太、竹井奈美らと優勝を争う。江口晃生は27日からの桐生一般戦。山崎智也、毒島誠、松本晶恵らが参戦。大場敏、三角哲男は20日からのとこなめ一般戦。徳増秀樹、田村隆信、丸野一樹らが出場。野長瀬正孝は5月20日からの鳴門一般戦。鈴木博、森永淳、後藤翔之らが相手。渡辺睦広は23日からの江戸川一般戦。熊谷直樹、山田竜一、山田哲也らとVを争う。

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