【皐月賞】“逆襲の2歳王者”サトノアレス1冠目へ全速前進

[ 2017年4月14日 05:30 ]

戸崎を背にスピード感あふれる走りを見せたサトノアレス(中央)
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 牡馬クラシック第1冠「第77回皐月賞」の枠順が確定した。美浦では悲願の皐月賞Vを狙う藤沢和勢2頭が木曜追い。スプリングS4着からの巻き返しを図るサトノアレス、無敗Vを狙うレイデオロが、桜花賞で3着に敗れた僚馬ソウルスターリングの“リベンジ”へ、それぞれ万全の態勢を整えた。同レースは14日、一部ウインズで金曜発売される。

 本番へピタリと照準を合わせてきた。サトノアレスは戸崎が騎乗してWコースで3頭併せ。3番手追走から4角で内に馬体を併せて直線へ。先導したシャドウチェイサー(5歳1600万)が道を譲るように下がると、直線半ばからゴールまでアヴニールマルシェ(5歳1000万)と併走。手応えに余裕を残しつつ、スピード感あふれる走りで併入した。「先週に比べて今週の方が確実に馬が良くなっていると感じた。休み明けだった前走とは違って前向きさもある」。手綱から伝わった上昇度に、戸崎も充実の表情。迎えた藤沢和師も「いいフットワークだった。ひと叩きして気持ちも乗ってきたな」と満足げだ。

 3連勝で朝日杯FSを制し、同世代の頂点に立ったアレス。年明け初戦の前走は1番人気に支持されながら、後方から追い上げ切れず4着に敗れた。「スタートでつまずきリズムが苦しくなった。2歳王者としてはふがいない結果。申し訳なく思っている」。自身の騎乗を反省する戸崎を、指揮官は「ゲートが悪い馬じゃないが、たまたまタイミングが合わなかっただけ。仕方ない」と擁護した。

 今回は未経験の2000メートル戦だが、戸崎は「乗った感じは全く問題ない」と意気込む。藤沢和師も「掛かる馬じゃないから心配していない。お母さん(サトノアマゾネス)は短い距離の馬だったが、アレスも戸崎も母のことは知らないんだから、先入観がなくていい」とジョークで笑い飛ばした。

 G1・24勝を誇る名伯楽も牡馬クラシックは未勝利。皐月賞は9度目の挑戦となる。報道陣が詰めた共同会見の終盤、抱負を問われた指揮官は飾り気なくシンプルに「勝ちたいね」と3度繰り返した。13番枠も「問題ない」と力強い。2歳王者が本来の走りさえ取り戻せば、悲願のタイトルに手が届く。

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