【皐月賞】絶妙なコンビネーション!弥生賞馬カデナ&福永

[ 2017年4月13日 05:30 ]

福永を背に坂路単走で追い切られ、力強い走りを見せたカデナ
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 伸びのあるフットワークで、福永の手は最後まで動くことはなかった。カデナは1週前(坂路4F51秒6)にビシッと負荷をかけられたため、この日の最終追いは上がり重点。「馬は仕上がっているので、反応が悪かったら追ってくれ」という中竹師の指示の下、坂路単走。前日の雨で力を要する馬場を力強い脚取りで駆け上がり4F55秒3。ラスト2Fで左手前に替えるとギアを一段上げ、13秒5→13秒0と俊敏な身のこなし。時計以上の手応えに引き揚げてきた鞍上の表情は明るい。

 「前走は体に余裕があったけど、一度使って素軽さが増してきた。以前は重たい馬場だと脚を取られてつまずいていたけど、体幹が強くなって走るフォームがしっかりしてきた。今なら多少、渋った馬場も対応できると思うし、いいコンディションで臨めそうだね」

 非凡な瞬発力で京都2歳S→弥生賞と芝2000メートルの重賞で連勝を飾るなど、距離適性の高さは証明済み。とりわけ皐月賞と同じ舞台である前走の弥生賞Vは、スローの決め手勝負を外から力でねじ伏せる完勝劇だった。福永はその弥生賞前から付きっきりで稽古に騎乗し関係性を深めてきた。「競馬で抑えると嫌がるそぶりを見せていたので、馬に僕に慣れてもらおうと思って」。ハミに頼る面を日々の調教で自ら矯正し“ユーイチ仕様”に。「上体が起きて走れているし、バランスが良くなった」と手応えをつかんだ。

 “チーム・カデナ”の一員として感謝の気持ちに結果で応えたい。福永は2月のきさらぎ賞で落馬し、じん帯を損傷し戦線離脱を余儀なくされた。それでも前田幸治オーナーは「弥生賞に間に合わなくても、本番(皐月賞)はおまえで行く」と全権委任。「ありがたいことですし、このチームで大きなタイトルを獲りたい」と意気込みは強い。

 鞍上にとっては史上2組目の皐月賞父子制覇(父・洋一は77年ハードバージ)が懸かる一戦。「そんなことよりも(カデナが)力を出し切れるかどうか。今回がダービーに向けての試金石になる」。人馬一体で頂点へ――。大目標まで負けられない戦いは続く。

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2017年4月13日のニュース