【桜花賞】テン乗り池添大殊勲!8番人気レーヌミノルG1初制覇

[ 2017年4月10日 05:30 ]

<阪神11R・桜花賞>レーヌミノルをねぎらう池添
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 怪物が敗れ、新女王が誕生した。牝馬クラシック第1弾の「第77回桜花賞」が9日、阪神競馬場で行われ、8番人気のレーヌミノルが好位から押し切り、G1初制覇。小倉デビュー馬としては1943年のミスセフト以来、74年ぶりの勝利となった。乗り代わりの池添は、自身のG1初制覇だった02年アローキャリーに続く、桜花賞2勝目を挙げた。2着はリスグラシュー。圧倒的1番人気に推されたソウルスターリングは初の道悪がこたえたのか、伸び切れず3着に終わった。

 たまりにたまったうっ憤を大一番で晴らした。昨秋からの4連敗で8番人気に評価を落としていたレーヌミノルが、新パートナーの池添に導かれて初のG1タイトルを手にした。歓喜の検量室前、苦楽を共にしてきた担当の中井助手は涙が止まらない。クールに装う本田師の頬も緩む。池添は「やったね!」と雄叫びを上げながら、両拳を天に突き上げた。これぞ“G1請負人”というべき会心の騎乗だ。

 「いい馬でチャンスをいただき、いい仕事ができました。中井さん、それに本田先生も涙ぐんでるのが見えて、こっちがもらい泣きしそうになりました」

 いつもと同じように天性のゲートセンスで前へ。ただし、逃げた前々走、早仕掛けで2着に終わった前走とは道中の運びが違った。好位で折り合い、ラスト2Fで追いだされるとスッと加速。迫るソウルスターリングを振り切って坂を駆け上がると、追い込んできたリスグラシューも抑え込んで先頭でゴールした。終わってみれば伏兵とは思えぬ横綱相撲だった。

 「直線は見せムチを使って、気を抜かせないように工夫しました。僕自身、去年は2センチ差で負けて凄く悔しかったし、“同じ結果は嫌だ”と思いながら追いました。レーヌミノルが120%の走りで、期待に応えてくれましたね」

 今年2戦のゴール前で甘くなるレース内容から“短距離馬”の声が強まっていたが、本田師も中井助手も「絶対にマイルは持つ」と信じていた。指揮官は本番を前に、主戦・浜中から池添の乗り代わりを決断。鞍上には「お前に任せる」とだけ告げて送り出した。史上4人目となる騎手&調教師での桜花賞制覇を果たし、「いつも早め早めの競馬でつかまるから距離が持たないと言われていたけど、乗り方一つでいけると思っていた。正直、新馬を勝った時から桜花賞が目標だった」と、してやったりだ。

 次走は流動的だが、NHKマイルCが本線。「ジョッキーと相談して決める」と保留した指揮官に対し、池添は「2400メートルはどうか…。意見を聞かれればマイルを薦めるかも」と本音を口にした。牝馬の頂点に立ち、次は牡馬に挑戦状を叩きつける。

 ▼馬名の意味 レーヌミノルとは「女王(フランス語でreine)+冠名(ミノル)」。まさに桜の女王となる運命だった。

 ◆レーヌミノル 父ダイワメジャー 母ダイワエンジェル(母の父タイキシャトル)牝3歳 栗東・本田厩舎所属 馬主・吉岡實氏 生産者・北海道新ひだか町のフジワラファーム 戦績7戦3勝 総獲得賞金2億1509万1000円。

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