【桜花賞】ソウル無敗1冠へ死角なし!8馬身後方から一気に併入

[ 2017年4月6日 05:30 ]

<桜花賞>3頭併せで追い切るソウルスターリング(左)
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 無敗クラシック獲りへ死角なし!「第77回桜花賞」(9日、阪神)の追い切りが5日、美浦、栗東トレセンで行われ、デビュー4連勝中のソウルスターリングが抜群の反応をアピールした。現役最多のJRA重賞100勝にあと1と迫ったレジェンドトレーナー、藤沢和雄師(65)も仕上げに太鼓判。史上7頭目となる無敗桜花賞制覇へ王手をかけた。同レースの枠順は6日に決まる。

 藤沢和厩舎には14年天皇賞・秋のパネルが飾られている。フレームに収まっているのは誇らしげにスピルバーグの手綱を引く山本英俊オーナー。「ソウルスターリングもそうだが、G1を勝つのは馬自身の能力。でも、馬主さんが引っ張れるかはしつけの問題だ。厩舎が問われる」。藤沢和師は、桜花賞も鉄板なのか…と脂ぎった顔で迫る番記者をけむに巻くように切り出した。

 「先日、テレビでドッグショーを見てね。鳴いたり、吠えたり、人の言うことを聞かないのは失格。今、うちの馬が出場しようとしても、大半は門前払いだろうね」。桜花賞に現役最多のJRA重賞100勝がかかるレジェンドトレーナーがのぞかせた自身へのもどかしさ。「ソウルスターリング?馬のほうは凄いよ。自分で勝手に走って体をつくっちゃうから。健康だし、気性もこれまでより穏やか。きょうも馬なりでいい動きだった」

 不動の本命を告げるフットワーク。雄大にして軽快、柔軟さまで兼ね備えた青鹿毛が黒い光沢を放ちながらWコースで弾む。サトノギャラント(8歳障害オープン)の8馬身後方から手綱を緩めた瞬間に並びかけ、余裕十分に併入。「下手な調教より1度の実戦」。師の口癖の通り、休養明けのチューリップ賞をしのぐ極上の反応と切れ味だ。

 英G1・10戦全勝の父フランケルと仏米G1・6勝の母スタセリタから生まれた世界的良血。「桁違いだ」。2歳夏の入厩時に藤沢和師をのけぞらせた素質でデビュー4連勝。昨年の阪神JFはノーステッキで最内から差し切り、チューリップ賞では外から抜け出した。「阪神のマイルを異なるレース運びで上手に走れた」。師は皐月賞の予備登録も済ませたが、迷う余地がないほどマイルの走りは完璧だ。

 今週末の兵庫地方は雨予報。「欧州のタフな馬場で活躍してきた血統。阪神JFはタイムのかかる馬場だったし問題ない」と、詰め将棋の終局を迎えたような余裕さえ漂わせる。重箱の隅をつつけば、不安材料は初めて経験するクラシックの大歓声ぐらいか。「2歳の頃の力みが抜けて、コントロールも利きやすくなっている。大丈夫」。歓声を浴びても鞍上の指示を守れるようなしつけをしてきた。

 厩舎に飾った14年天皇賞・秋のパネル。馬主が引っ張れるほどしつけの行き届いたG1馬の写真に再び視線を向けながら、藤沢和師は言った。「ソウルスターリングの手綱もオーナーが引っ張れるよ」。レジェンドトレーナー面目躍如の名牝に隙なし。

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