【大阪杯】“初代王者”誕生!キタサンブラックがG1・4勝目

[ 2017年4月3日 05:30 ]

<阪神11R・大阪杯>キタサンブラックで大阪杯を制した武豊と握手で口取りを撮る北島三郎オーナー(右から3人目)
Photo By スポニチ

 今年からG1に昇格した「第61回大阪杯」が2日、阪神競馬場で行われ、昨年の年度代表馬キタサンブラックが1番人気に応えて快勝。昨年のジャパンC以来4度目となるG1勝利とともに、オーナー北島三郎(80)の口から来年の現役続行が宣言された。武豊はG2時代を含め大阪杯7度目のV。残すJRA・G1タイトルを朝日杯FSとホープフルS(新設)の2つとした。

 抜けた春の青空が新設G1をお出迎え。昨年の年度代表馬キタサンブラックが貫禄の立ち回りで“初代王者”に輝いた。G2時代を含め単独最多7勝目を飾った武豊は左手でガッツポーズ。そんな興奮の色合いとは裏腹に、冷静にレースプランを組み立てていた。

 「展開は読みやすいメンバーだったし、ある程度思っていた通りにはなった。手応えが凄く良かったので、後ろを待つこともない。そう思って意識的に動いた。普通の馬なら仕掛けが早いけど、この馬ならと思って行った。差される雰囲気はなかったですね」

 マルターズアポジーが逃げて、ロードヴァンドールは2番手。前半1000メートルが59秒6と大方の予想よりペースは遅め。3番手につけたキタサンブラックは残り3Fすぎからほどなく進出を開始。直線半ばで先頭に立った。能力を最大限に信じたレース運び。堂々と4度目のG1Vゴールを駆け抜けた。

 武豊は新設G1を制し、自身のJRA・G1完全制覇へ“マジック2”に引き戻したが、意に介さず。「新しいG1を勝ったことより、キタサンブラックの今年初戦という意味合いの方が強い。乗るのが有馬記念以来で、パドックでまた少し大きくなっていた。改めて格好いい馬だと思いました」とパートナーの成長を強調した。

 有馬記念から3カ月、中間は坂路3本乗りを取り入れるなど、ハードに鍛え上げられた。“攻めのタクト”を実らせた清水久師がこう言う。

 「僕のやっていたことが間違ってはいないと思った。今までのG1以上にホッとした。レースが終わった後も、すぐに息が入っていました」

 次は天皇賞・春(30日、京都)。昨年の有馬記念で名勝負を演じたサトノダイヤモンドが登場。“ライバルストーリー”の第2幕が上がる。武豊は「再戦で盛り上がるだろうし、連覇へ向け頑張りたい。そこから大きな夢が広がればうれしい」と必勝を誓い、海外遠征への期待もにじませた。さらにレース後、北島オーナーは来年のブラック現役続行を宣言しており「(来年は大阪杯の)連覇を目指して、となるのかもしれないね」と笑顔で語った。

 昨年の有馬記念はわずか首差の2着で涙をのんだ。そこから磨きをかけられ、パワーアップ。多くのファンが待ち焦がれる新緑の淀決戦が今から楽しみでならない。

 ◆キタサンブラック 父ブラックタイド 母シュガーハート(母の父サクラバクシンオー)牡5歳 栗東・清水久厩舎所属 馬主・大野商事 生産者・北海道日高町ヤナガワ牧場 戦績15戦9勝 総獲得賞金11億9048万5000円。

続きを表示

この記事のフォト

2017年4月3日のニュース