【ドバイターフ】“大魔神”オーナー快挙達成!ヴィブロスがV

[ 2017年3月26日 05:30 ]

<ドバイターフ>優勝したヴィブロスと関係者たち(撮影・岡田修平)
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 ドバイ国際競走が25日、UAEメイダン競馬場で行われた。G1・ドバイターフ(芝1800メートル)は後方を進んだ昨年の秋華賞馬ヴィブロス(牝4=友道)が新コンビのモレイラを背に外から豪快に突き抜け、G1・2勝目。07年アドマイヤムーン、14年ジャスタウェイ、昨年リアルスティールに続き、日本馬4頭目の同レース制覇を飾った。

 小さな馬体を大きく躍動させ、世界の強豪を撃破した。昨年の秋華賞馬ヴィブロスが新コンビを組んだモレイラに導かれ、雨のカーテンを切り裂いた。道中は後方3番手を追走。4コーナーで後方インにいたが、直線では魔術に操られるように、いつの間にか馬群を縫って外に出した。先に抜け出したエシェムを計ったように抜き去って1着ゴール。殊勲のモレイラは「馬場は水分を含んでいたけど、硬くてこの馬に合っていた。先生(友道師)とは後ろから行こうという作戦を練っていた。向正面で風が強く、内に入れた。直線は内ラチ沿いを嫌がったので外に出したら、馬が動いてくれたんだ。素晴らしい馬だ」と声を弾ませた。さらに「陣営(厩舎スタッフ)が凄くいい仕事をしてくれた。彼女が成し遂げたことは、どんな馬でもできることではない」と最大級の賛辞を贈った。

 姉は13、14年のヴィクトリアMを連覇したヴィルシーナで、友道厩舎ゆかりの血統。友道師は目を真っ赤にし「ドバイに来てからもいい雰囲気。雨は降っていたけど、日本馬向きの馬場だった」と感無量。一方、オーナーで元メジャーリーガーの佐々木主浩氏(49)は海外初挑戦でV。外ラチ沿いで必死に声援を送った同氏は「よく、覚えていません…。祈るような思いで見ていました。海外G1は先生(友道師)の夢でもあった。本当にうれしいです」と言葉を振り絞ると、同行した加奈子夫人は「小さな体でよく頑張ってくれました」と号泣。そして、主浩氏と喜びのハイタッチをした。

 異国の地で昨秋の秋華賞に続くG1・2勝目。14年のジェンティルドンナ(シーマクラシック)に続く、日本牝馬2頭目のドバイG1制覇の偉業だ。今後について、友道師は「ブリーダーズCターフ(11月4日、米国デルマー)は選択肢の一つ」と以前から温めていたプランを掲げ、さらなる海外制圧を見据えた。偉大な姉が果たせなかった夢もかなえ、ヴィブロスの進撃はさらに続く。400キロ台前半の小さな体には、大きな夢が詰まっている。

 ◆ヴィブロス 父ディープインパクト 母ハルーワスウィート(母の父マキアヴェリアン)牝4歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・佐々木主浩氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績9戦4勝 総獲得賞金約5億3470万円

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