【中山牝馬S】ユタカが導いた初重賞!トーセンビクトリーがV

[ 2017年3月13日 05:30 ]

<中山11R・中山牝馬S>大外から迫るマジックタイム(右、2着)を抑えて重賞初制覇のトーセンビクトリー(左手前)
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 中山で行われた「第35回中山牝馬S」は、良血トーセンビクトリーが重賞初Vを飾った。

 良血がついに目覚めた。好スタートを決めて、好位3番手で運んだトーセンビクトリー。武豊は内ラチ沿いで折り合いに専念し、仕掛けのタイミングをうかがった。直線入り口でパールコードが外からかぶせるように前に出たが、鞍上は慌てず馬群の切れ目から進路を外へ。前方の視界をクリアにしてからゴーサインを出すと、内で叩き合う3頭をねじ伏せ、外マジックタイムの強襲も首差でしのいだ。

 「強かった。スタートも良かったし、行く馬がいなければハナも考えていた。ペースが遅かったが、思った以上に折り合いがついた。いい手応えで直線に向いたので、あとは伸びてくれと思って追った」と武豊。15年秋華賞(8着)以来のコンビ復活で、ビクトリーをきっちり初タイトルへと導いたのは、さすが名手だ。激しい気性が災いし、力を発揮し切れないレースも多かったが「いいポジションで我慢してくれたのが大きかった」と精神面の成長を勝因に挙げた。

 父キングカメハメハ、母トゥザヴィクトリー。13年セレクトセール1歳セリで1億500万円(税抜き)の高値をつけた。「血統からも期待されていた馬。ようやく(重賞を)勝てました」と角居師は安どの表情。「僕は(成長を)寝て待っていただけ」と謙遜したが「以前はカイ食いが悪く、体重が安定しなかったが、今はゴハンをしっかり食べて、強いトレーニングをできるようになった」と体質が強化された愛馬に目を細める。

 待望の重賞タイトルを手に入れ、次の目標はもちろんG1獲り。指揮官は「春はヴィクトリアマイル(5月14日、東京)を目指したい。間に1戦挟むかはジョッキーとも相談して考えたい」とした。母の初G1制覇(エリザベス女王杯)も5歳秋。「まだまだ活躍してくれそうだね」。武豊の言葉通り、5歳で開花した良血の未来は明るい。

 ◆トーセンビクトリー 父キングカメハメハ 母トゥザヴィクトリー(母の父サンデーサイレンス)牝5歳 栗東・角居厩舎所属 馬主・島川隆哉氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績16戦6勝 総獲得賞金1億2526万6000円。

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