【金鯱賞】福島出身の田辺、プロディガルサンで3・11V刻む

[ 2017年3月10日 05:30 ]

金鯱賞でプロディガルサンに騎乗する田辺裕信
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 今週土曜は3月11日。6年前、東日本大震災が発生した日だ。福島県出身の田辺は金鯱賞でプロディガルサンに騎乗。だから頑張るとか、勝ちたいなどとは言わない。ただ、何の日かは深く胸に刻み込まれている。「福島は東京のように娯楽がたくさんあるわけじゃないし、競馬に対して熱い土地。親父からもそういう話を聞いているし、競馬を楽しみにしてくれている人もいると思う」と故郷への思いを口にする。

 騎乗するプロディガルサンとは昨年ダービー(10着)以来5戦連続のコンビ。前走・東京新聞杯(2着)は上がり3F最速32秒0という極限の切れ味を発揮し、逃げ切りVのブラックスピネルを首差まで追い詰めた。馬体重は22キロ増だったが、国枝師は「前回くらいの体でいい」と成長に目を細める。これまでさまざまな距離を使われてきたが、1800〜2200メートルでは【1110】と安定したパフォーマンスを披露。田辺は「前走でゲートを上手に出て流れに乗れたのはいい傾向。今回もああいう感じで運べれば」と手応えを示した。

 震災後、3月11日に中央競馬が行われるのは震災翌年の12年以来。田辺は12年は中山で2勝、2着1回と気を吐いた。今年は金鯱賞を含め中京で9鞍に騎乗。「毎年この日に競馬があるわけじゃないから」。地元ファンが誇れるまでに成長した33歳が、今年もやってくれるに違いない。

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2017年3月10日のニュース