【山陽オート プレミアムカップ】V最右翼は鈴木圭 青山&高橋貢も虎視たんたん

[ 2017年2月26日 05:30 ]

山陽オート 共同通信社杯特別G1プレミアムカップオートレースのポスター
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 春弥生。3月18日から22日まで、山口県は山陽オートレース場で共同通信社杯特別G1プレミアムカップオートレースが行われる。

 プレミアムカップはその名のとおり、まさしく特別。準SGとも称されるが、ランキング上位96人が集結するこの大会は、超SGとも言える濃厚なメンバーぞろいだ。そのプレミアムな面々が紡ぐ60回のバトルはいつも記録にも記憶にも残る。

 記憶に残るのは昨年3月21日、あの船橋オート最後の開催。それがプレミアムカップだった。レース場存続を賭けて走り回った、当時の船橋選手会支部長・永井大介が魂の走りを見せ優勝。ファンへ向かって涙の優勝報告をしたシーンはオートレースファンの脳裏から離れることはない。そして昨年9月19日、ナイターで行われた直近の飯塚プレミアム優勝戦は雨走路。雨の鬼、地元飯塚の荒尾聡とこちらも雨では日本一を争う高橋貢が激戦。一度は追い落とされたかに見えた新鋭・吉原恭佑が執拗に2強に抵抗。最後は競り勝ってなんとGシリーズ初優出Vを成し遂げる大金星。どれも記憶にも記録にも残った大一番だった。

 プレミアムの名にふさわしい数々の歴史を刻むこの大会が、2年ぶりに山陽に帰ってきた。2年前の2015年、3月優勝は木村武之、そして6月は金子大輔と浜松勢が大奮闘したが、今回も浜松筆頭・鈴木圭一郎がV最右翼として登場する。

 鈴木圭の昨年の活躍をひもとけば枚挙にいとまがない。3月、史上最年少で川口G1を獲るや、同じく10月、第30回全日本選抜でSG史上最年少、最短V。つづく刀で日本選手権、スーパースターをなで切り。過去5人しかいないSG3連続優勝中なのだ。22歳にして「趣味は整備」と断言するストイックな生き方は16年、1億円超えの賞金王にもどこ吹く風。ひたすらオート道を究める姿勢に行き詰まりはない。今年に入ってスーパーハンデを背負ったが、さすがにこの時点では荷は重かった。2月半ばの地元浜松SP王戦では優出もれしたが、随所に見るべきものがあった。16年は飛躍の年だった。今年の鈴木圭は王道を踏み固める年。プレミアムという願ってもない晴れ舞台で力の差を見せつけるのか。進化する鈴木圭の勇姿が待たれる。

 勝負のきびしい世界。他の選手も鈴木独走に手をこまねいているわけでは決してない。一番に対抗するのは青山周平。現時点(2月末)では昨年末の落車の後遺症ははなはだ重いが、青山の持つポテンシャルはこのままで終わるわけもない。2月末、飯塚一般で優出はしたものの見せ場なく7着。主戦のクランクが暮れに壊れたのが一番の痛手だ。だが、心も車もじょじょに整えてくる。冬の厳しさに耐え、万物が芽を吹く春弥生。青山が復活ののろしを上げるのはこの舞台だ。

 暮れのスーパースター。もんどりうってひっくり返ったのは高橋貢。そのシーンがフラッシュバックしてレースに悪影響かと不安もあったが、その後の足取りは堅調。安定感あふれる走りを続けている。昨年は復活を強烈に印象づけた。10月の全日選優勝戦のひたひたと迫る追い上げ3着に、11月の日本選手権、青山周を逆転しての準優勝。場内を沸かせ続けた。暮れのスーパースターも堂々と王座決定戦まで駒を進めた。SG20V、G127Vの揺るぎない記録保持者が13年の当地以来のプレミアムVに虎視たんたん。

 迎え撃つ地元山陽で絶好調は人見剛志。今年は浜松、飯塚と一般戦とは言え強メンバー相手にたてつづけに優勝。このところスタートの切れが身についたのが大きな武器。内外自在のさばきは長足の進歩だ。勝てるときには勝てる、と肩の力が抜けたところが人見のプロらしさ。無欲の勝利を呼び込むか。同じく、松尾啓史も注目の人。暮れのスーパースター王座決定戦3着。トライアルではその伸びが評判になっていたものだ。ややスタートに難点があるが、そこさえしのげば、2月21日、飯塚の優勝戦のように勝負権がある。新型タイヤでハネを気にするが、いいタイヤさえ見つければ、超一流の追い足披露か。地元陣、ほかでは丹村飛竜、岩崎亮一、浜野淳らの活躍が見込めそうだ。

 飯塚勢は重鎮・浦田信輔、爆発力・荒尾聡、切り込み果敢・篠原睦らも優出戦線かく乱は間違いない。とくに荒尾は一昨年、当地G1で超抜タイムで優勝歴がある。新走路だったことを割り引いてもタイムが出るということはスピードもあるという証拠。暮れのスーパースター戦も王座戦まで進出したのが実力の証明だ。荒尾も候補の1人。

 川口からは永井大介、若井友和、森且行、阿部剛士らが出場。永井は1月初旬の伊勢崎でケガ。2月中旬に復帰し優勝戦まで駒を進めたところはさすが。時間の経過とともに輝きをとりもどす。迫力満点の運びは若井だ。試走もコンスタントに出ており、その闘魂あふれる追い上げが見もの。森もツボにはまれば速い。そして阿部だ。先の浜松で悲願のG1初V。熱心な整備に正解が出た。今大会でも穴党ファンはマークしておきたい存在。

 ほかでは伊勢崎・早川清太郎、新井恵匠、浜松・木村武之、伊藤信夫らも優出圏内。とくに今年G1勝ちの早川に自在派・木村武がいい走路の山陽バンクでは活躍の度が高まる。

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