幕開けは重賞制覇…武幸四郎、ラストウイークも派手にV締めだ!

[ 2017年2月24日 05:30 ]

騎手人生のラストウイークに挑む武幸四郎
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 幸四郎、ラストも派手に締めるか――。今週いっぱいで騎手を引退し調教師に転向する武幸四郎(38)が、土日の阪神重賞アーリントンC(ミラアイトーン)、阪急杯(カオスモス)をはじめ13鞍に騎乗。97年のデビュー2日目に重賞で初勝利を飾った男が再び、ファンを沸かすか?

 名人と呼ばれた父に憧れ、天才である兄の背中を追い続けた20年の騎手人生。デビューから全速力で駆け抜けた幸四郎が、ついに騎手としてのラストウイークを迎えた。「合格してから、この日が来るのは分かっていたこと。阪神でデビューし、阪神で終えられる。最後の週もたくさんの馬に乗せてもらえて引退できるのは幸せ。まだ僕自身はピンと来ていない。いろいろ考えるのは、やめてからだと思う」。慌ただしい取材攻勢をテンポ良く笑顔でこなしていく表情は、希望に満ちあふれていた。

 衝撃デビューにファンが沸いた。97年3月のマイラーズC。父・邦彦師が管理するオースミタイクーンで、初勝利が重賞Vという前代未聞の快挙を成し遂げる。当時18歳。少年の面影が残っていた幸四郎も来年秋には不惑に到達。「精いっぱいここまでやってきたから悔いもない。いろんなことを経験させてもらいました。本当に幸せな20年だったと思う」

 JRA通算693勝。自身の初G1勝ちとなった00年秋華賞馬ティコティコタック、06年菊花賞馬ソングオブウインド、13年牝馬G1・3勝メイショウマンボなど、手綱を取った名馬は数知れないが、「思い出に残る馬は?」の質問に特定の馬を挙げることはなかった。「たとえ未勝利馬でもいろいろなことを教えてくれた。馬に気付かされ、馬に教えられることが多かった。いろんな馬に乗せてもらった経験をこれから出合う馬に生かしていきたい」。全ての馬に平等に愛情を注ぐ、幸四郎らしい答え。視線は既に調教師として迎える第2ステージに向けられている。

 完全燃焼を誓った最終週は阪神競馬場で計13鞍に騎乗する。期待の大きさなら、土曜のメイン「アーリントンC」で手綱を取るミラアイトーン。「前走は距離を詰めていいレースをしてくれた。まだまだこれからの馬だけど、重賞でもチャンスはある」と力強い。重賞制覇で華々しく幕を開けた騎手人生。ラストウイークにもド派手な“演出”が用意されている気がする。

 ◆武 幸四郎(たけ・こうしろう)1978年(昭53)11月3日、滋賀県出身の38歳。97年3月、武邦彦厩舎から騎手デビュー。デビュー2日目でマイラーズCを制し、初勝利が初重賞Vという快挙を達成。同年にはJRA賞の最多勝利新人騎手を受賞。00年秋華賞のティコティコタックでG1初制覇。13年にはメイショウマンボでオークス、秋華賞、エリザベス女王杯のG1・3勝を挙げた。JRA通算9109戦693勝(うちG16勝、重賞28勝、23日現在)。

 ◆引退式 武幸四郎の引退式が26日、阪神競馬最終レース終了後(16時35分頃)にウイナーズサークルで行われる。また25、26日、阪神競馬場正門東側の特設ブースで、ファンからのメッセージを受け付ける(土曜は開門から17時、日曜は15時まで)。

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