【フェブラリーS】“105年の悲願”カフジテイク軽々12秒4

[ 2017年2月16日 05:30 ]

<フェブラリーS>津村騎手を背に坂路で追い切るカフジテイク
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 カフジテイクが“100年の悲願”成就に挑む。17年G1開幕戦の「第34回フェブラリーS」の追い切りが行われ、前哨戦の根岸Sを制したカフジテイクはコンビ復活となる津村騎乗で坂路4F52秒1をマークし、好調キープをアピール。馬主53年目の加藤守氏、湯窪師、津村の3人それぞれにとって悲願のG1制覇が見えてきた。一方、連覇を狙うモーニンは坂路4F50秒4の猛時計で万全の態勢を整えた。

 一完歩ずつ、じっくり感触を確かめながら坂を上った津村とカフジテイク。4F52秒1〜1F12秒4、無理することなくラストは上々の伸び脚だ。調教は初騎乗の津村は「競馬の時と変わらず落ち着いて走れた。順調に来てるなと感じた」と満足げに話した。

 重賞初制覇を飾った根岸Sから中2週。前走が完勝だっただけに劇的な上積みはいらない。順調ならそれで十分だ。昨秋のグリーンチャンネルCでオープン初V。短期間で急激に成長したように見えるが、湯窪師は「馬体は大きくは変わらない。東京に使ったのがよかった」と分析する。

 津村が「コーナーで少しトモ(後肢)を流す」と話すようにコーナーで器用に加速するタイプではなく、直線を向いてから一気に伸びる。東京ダートの直線は501・6メートル。京都(直線329・1メートル)や阪神(同352・7メートル)ではトップスピードに乗ったところがゴールだったのが、東京ではそこからまだ100メートル以上ある。東京4戦は全て上がり3F34秒台と芝並みの切れ味を披露。最大の武器が最も生きる舞台なのは間違いない。

 グリーンチャンネルCが初コンビだった津村は「末脚が凄いなと。あの感覚は僕の中では初めて」とほれ込んだ。根岸Sは福永に手綱を譲ったが、その福永の負傷離脱で騎乗機会が巡ってきた。G1・21度目の挑戦で共同会見出席は初めて。「チャンスをもらえてめちゃくちゃうれしかった」とコンビ復活を喜んだ。

 オーナーの加藤守氏は馬主歴53年目。騎手として21年で141勝を挙げ調教師として開業17年目の湯窪師、デビュー14年目の津村ともどもG1初制覇がかかる。3人合わせて105年目の大チャンス。これを悲願と言わずして何を悲願と言う。「このチャンスを生かせるかどうかで、これからの僕のジョッキー人生が変わるというつもりで臨みたい」と意気込む津村。「期待と不安が半々。追い込み型なので心臓に悪いが何とか頑張ってほしい」と穏やかに笑う師。この思い届け、剛脚よ届け!

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