【根岸S】最後方から15頭ゴボウ抜き!カフジテイク強烈末脚V

[ 2017年1月30日 05:30 ]

<東京11R・根岸S>末脚爆発!!外強襲で重賞初制覇を飾った(3)カフジテイク
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 ダート戦線に個性派の新星が登場だ。東京で行われた「第31回根岸S」は、1番人気カフジテイクが出遅れを問題にせず、直線最後方から15頭をゴボウ抜き。重賞初制覇を飾り、フェブラリーS(2月19日、東京)の優先出走権を獲得した。鞍上の福永祐一(40)は、97年から21年連続のJRA重賞Vとなった。

 これぞ追い込み馬。胸のすくような勝ちっぷりだ。スタートで1馬身の後れを取ったカフジテイク。初コンビながら、そこは百戦錬磨の名手・福永。慌てず序盤は後方から3頭目を追走。4角を回り終えた段階で、ほぼ最後方の位置取りになったが、そこからがこの馬の本領。大外に持ち出すと、まるで他馬が止まったかのように、1頭だけ次元の違う伸び脚。前の14頭を次々と抜き去り、最後は先に抜け出したベストウォーリアを残り50メートルで捉えると、有無を言わせず1馬身突き放した。

 「毎回コンスタントにいい脚を使っているのは分かっていたが、馬には負担の掛かる競馬。今日はもう少し前の位置でと思ったが、スタートも今イチで行き脚もつかず。結果的にいつもと同じ競馬になってしまった」。今後も見据え、追い込み一辺倒の脱却を狙った福永だったが、馬はお構いなし。スタイルを貫き、キャリア22戦目で2度目の1番人気に応えて初タイトルをもぎ取った。

 湯窪師は04年愛知杯(メモリーキアヌ)以来、13年ぶりのJRA平地重賞V。「出遅れは想定内。見慣れている」と笑ったが「最後は届け!届け!!と必死だったよ。最後に1馬身も抜け出すとは思わなかった。追い切りでも余裕の動きを見せていたし、毛ヅヤも良かった」と愛馬の成長ぶりに驚きを隠せない。

 次走はもちろん優先出走権を獲得したフェブラリーS。良績は1400メートルに集中しているが「中京(チャンピオンズC4着)で千八もこなしてくれたし、充実した今ならマイルでも期待できる。この馬の形で。それしかない」と師は再び直線勝負に懸ける構え。コンビ継続となる福永も「相手が強くなり(負担)重量も増える。課題はあるが胸を張ってG1に行ける内容。楽しみ」と拳を握った。地道に末脚を磨いた個性派の名脇役が、G1舞台でついに主演の座を射止めるか。

 ◆カフジテイク 父プリサイスエンド 母テイクザケイク(母の父スキャン)牡5歳 栗東・湯窪厩舎所属 馬主・加藤守氏 生産者・北海道浦河町ヒダカフアーム 戦績22戦7勝 総獲得賞金1億7639万5000円。

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