【日経新春杯】G1候補生誕生!ミッキーロケットが大接戦制す

[ 2017年1月18日 05:30 ]

<京都11R・日経新春杯>和田騎手を背にシャケトラ(手前)にハナ差で勝利するミッキーロケット
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 17年の飛躍につながる大接戦Vだ。伝統のG2「第64回日経新春杯」は1番人気のミッキーロケットが、2番人気のシャケトラを鼻差抑えて重賞初制覇。タレントぞろいの明け4歳世代から、新たなG1候補生が誕生した。昨年のクラシック戦線では涙をのんだが、年を重ねてひと回り成長。春の最大目標に定めた新設G1「大阪杯」(4月2日、阪神)で、さらなる強豪撃破を目指す。

 壮絶な叩き合いで、一線級相手に戦ってきた経験がものをいった。残り300メートルからの一騎打ちは内が1番人気ミッキーロケット、外が2番人気の“上がり馬”シャケトラ。一度はシャケトラが前に出たが、和田の右ムチ連打に応えてミッキーがグイッと差し返す。最後はわずかに16センチ、鼻差の決着だったが、2キロのハンデ差があったことを思えば“強い競馬”と言っていいだろう。和田は「ヒヤッとしたね」と口にしつつ、安どの笑みを浮かべた。

 「順延になったけど、状態は良かったですね。心配していたスタートも出て、楽に付いていけた。行きっぷりは良かったけど、折り合いが付いてないわけじゃない。上手な競馬をしてくれました」

 賞金を加算できたこと以外にも収穫は多々あった。以前は出遅れが大きな課題だったが、この日は五分のスタートを切った。そして道中は前2頭から離れた3番手の外。行きたがり、もたれた面も見せた菊花賞とは一転、前に壁がなくても折り合った。肉体面の大きな成長こそなかったが、精神面の成長はハッキリ。音無師は「どっちが勝ってもおかしくないレースだったよ」と口にしたものの、愛馬の成長には目を細めた。

 「好位で運べたのは良かったね。後ろからじゃきついと思っていたから、スタートが上手になったのは大きいし、もたれることもなかった。ハミを(リングハミに)替えたのが良かったんじゃないかな」

 賞金加算に成功したことで、春の最大目標は新設G1「大阪杯」に決定。指揮官は「京都記念(2月12日、京都)か金鯱賞(3月11日、中京)を使って本番へ」とプランを口にした。大阪杯には既にキタサンブラックが参戦を表明しているが、同世代のサトノダイヤモンドやマカヒキが出走する可能性もある。「もっと良くなる馬。次はもっと強い馬が出てくるし、力で負かせるようになってほしい」と和田はさらなる成長を期待する。新年早々の初タイトルは序章にすぎないのか。充実の明け4歳は、リベンジの時を今や遅しと待っている。

 ◆ミッキーロケット 父キングカメハメハ 母マネーキャントバイミーラヴ(母の父ピヴォタル)牡4歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績12戦4勝 総獲得賞金1億4203万4000円。

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