【フェアリーS】東西大荒れ!10番人気ライジングリーズンがV

[ 2017年1月9日 05:30 ]

<中山11R・フェアリーS>大外一気に差し切ったライジングリーズン(右)
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 8日に中山競馬場で行われた「第33回フェアリーS」は、10番人気の伏兵ライジングリーズンが激走V。早めに外を駆け上がる強気の競馬で1番人気アエロリットを3/4馬身差し切った。助手として3冠牝馬アパパネにも携わった奥村武師にとってこれが重賞初Vとなった。

 開業4年目、延べ15頭目の挑戦でもぎ取った重賞初勝利。ライジングリーズンがもたらした歓喜の瞬間を迎えても、奥村武師は「あ、勝っちゃったって感じ。(重賞初Vのことは)頭になかった」とあっさりしたもの。東の名門・国枝厩舎の助手時代に名だたる名馬たちに携わってきた指揮官だけに、通過点と言わんばかりにクールに喜びをかみ締めた。

 序盤からツヅクが飛ばすレース展開。向正面ではずるずると隊列が伸びた。縦長の馬群の中央辺りを追走したライジング。3角すぎで馬群が密集し始めると一気に外を駆け上がった。「縦長になってレースの流れがマッチした。強気に行きました」(丸田)。直線で一気に先行馬たちをのみ込んでいく。内で離れたアエロリットを3/4馬身突き放したところがゴールだった。

 下馬評は低く10番人気。それでも攻めの戦法を貫けるだけの根拠があった。中間の調教に騎乗していた丸田は「1週前の動きと比べて今週の追い切りは腰が入って感触が良かった。これなら強気の形でもいいかなと思えた」と説明。奥村武師も「中間で攻めを強化しても体が増えていたからね。この中間でグッと良くなったよ」と急進化に舌を巻いた。

 助手時代には3冠牝馬アパパネや、グランプリホース・マツリダゴッホと肌で触れ合ってきた師。今後については「桜花賞までどう戦っていくかを考えていく。次は無理して東京で走るより、中山で使えたら」と冷静な判断を下す。ライジングリーズン、意味は「上昇の理由」。歴史的名馬たちを知る若き指揮官は、大舞台へと進むすべを知っている。

 ◆ライジングリーズン 父ブラックタイド 母ジョウノファミリー(母の父キングカメハメハ)牝3歳 美浦・奥村武厩舎所属 馬主・岡田牧雄氏 生産者・北海道日高町の三城牧場 戦績3戦2勝 総獲得賞金4259万5000円。

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