【東京大賞典】アポロケンタッキーG1初V!内田は古巣で大仕事

[ 2016年12月30日 05:30 ]

<東京大賞典>アポロケンタッキーと関係者たち
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 ウチパク、古巣で大仕事!競馬の16年ラストG1「第62回東京大賞典」が29日に東京・大井競馬場で行われ、5番人気のアポロケンタッキー(牡4=山内)がG1初制覇を果たした。元大井所属の内田博幸は同レース4勝目。断然1番人気アウォーディーを徹底マークする積極騎乗で、初コンビの相棒を勝利に導いた。

 カクテル光線に彩られたお立ち台で内田が叫んだ。「戻ってきましたー!!」。07年まで大井所属だった男が古巣ファンの大声援に笑顔を輝かせる。だが、この日何より光っていたのはテン乗りだったアポロケンタッキーを勝利に導いたその手腕だった。

 スタート直後、両サイドの馬に挟まれて後退しかけたケンタッキー。内田の鼓舞でピンチを脱すると勢いのままにコパノリッキー、アウォーディーの3番手に付けた。「とにかくこの馬の持久力を生かそうと思っていた」と内田。実力馬2頭を射程圏内に入れたまま道中をクリア。直線入り口でリッキーが沈むと、強気にアウォーディーと馬体を併せる。人気馬を横目にさらに加速。最後は1馬身半差を付ける完勝劇だった。

 内田は「負けてもいいから、4角を回った時点で先頭に立つくらいのイメージ。不思議なくらい思い通りになった。キャンターが力強くて、走り方からも大井は合うんじゃないかなと思っていた。周りがもの凄く強い馬だったから頑張ったよ」と満足そうに振り返った。

 鞍上は04&05年アジュディミツオー、09年サクセスブロッケンに続く東京大賞典V。これで武豊(5勝)に次ぐ4勝目となった。「しばらく勝ってなかったので勝ちたかった。デビューから19年間この大井で乗って、今日も在籍しているような声援を頂ける。本当にありがたいです。46歳だけど体は20代に負けないと思っている。まだまだ頑張りたい」と力を込めた。

 11月のみやこSを勝ち、2回目のG1挑戦で初戴冠のケンタッキー。4歳秋で本格化を果たした愛馬について「調教の動きもどんどん力強くなってきている。(来年は)まだ良くなると思う」と山内師。次走については「勝つとは思ってなかったから休ませないと」と冗談めかしたが、ドバイ国際競走(3月25日、メイダン)への質問が飛ぶと「そこも含めて考える」と海外挑戦も否定しなかった。内田が育った大井競馬場でこの日、新たなスター候補生が誕生した。

 ◆アポロケンタッキー 父ラングフール 母ディキシアナデライト(母の父ゴーンウエスト) 牡4歳 栗東・山内研二厩舎 馬主・アポロサラブレッドクラブ 生産者・米国ドグ・ブラナム氏 戦績19戦8勝(南関東1戦1勝) 総獲得賞金2億3823万7000円。

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