【有馬記念】五輪イヤーの記憶(6)1964年第9回有馬記念

[ 2016年12月24日 05:30 ]

64年の有馬記念を制したヤマトキヨウダイ(左)
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 アジア初の東京五輪が10月10日に開幕した。93カ国、5152人の選手が参加。五輪に先立ち、同1日には東海道新幹線が開通し、東京〜大阪間を約4時間で結んだ。東京モノレールも開業。日本人の海外渡航が自由化された。巨人の王貞治が年間本塁打55本の日本新記録。坂本九の「明日があるさ」がヒットした。

 競馬界はシンザンの3冠達成で沸いた。350万円と当時ではかなりの高額で取り引きされ、京都の名門・武田文吾厩舎に所属。皐月賞、ダービーを1番人気で制し、迎えた菊花賞は直前の京都杯2着が響き2番人気。しかし、1番人気に推されたライバルのウメノチカラをダービー同様に破り、41年セントライト記念以来、史上2頭目(当時)の3冠を達成した。

 有馬記念はシンザンが菊花賞後に休養で不在。史上初の同一年の天皇賞・春→宝塚記念を連覇したヒカルポーラが6連勝中で1番人気に。しかし、直前の天皇賞・秋(芝3200メートル)をレコードで制したヤマトキヨウダイが重馬場をモノともせず2着トーストに1馬身3/4差をつけ8大競走を連勝。翌5歳時も現役を続けたが、9戦未勝利で有馬記念が最後の白星となった。最後のレースとなった翌65年有馬記念(5着)で優勝したのがシンザンだった。

 ◆日本は金16個、銀5個、銅8個と量産。金は米国(36個)、ソ連(30個)に次ぐ3位で日本中が熱狂した。大松博文監督が率いる「東洋の魔女」と呼ばれたバレーボール女子が金。ソ連との決勝戦の平均視聴率66.8%はスポーツ中継番組で歴代1位。レスリングは5階級で金。体操男子も団体総合など金5個と活躍。遠藤幸雄は団体総合、個人総合、種目別の平行棒で金3個と奮闘した。

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2016年12月24日のニュース