【有馬記念】(15)アルバート 遅れも橋本助手「心配ない」

[ 2016年12月23日 05:30 ]

3頭併せで追い切るアルバート(中)
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 スポニチ賞ステイヤーズSで連覇を飾ったアルバートが有馬記念出走馬で唯一、木曜に追い切られ、Wコースで5F68秒2〜1F12秒9をマークした。パートナー2頭に遅れはしたが、仕上がりには不安なし。11日の香港国際競走でG1・2勝の偉業を成し遂げるなど絶好調の堀厩舎。昨年11着からの雪辱Vがあっても驚けない。

 堀厩舎らしい密度の濃い追い切りだった。アルバートは僚馬2頭とともにWコースに登場。道中は先頭のブライトバローズ(4歳1000万)から2馬身差でアルバート、その後ろにレアリスタ(4歳オープン)が内から半馬身ほど馬体を併せる形で続く。一般的には道中は各馬が十分な間隔を取るが、堀厩舎は調教の狙いに応じて道中から実戦を想定した“接近型”を取るのが特徴だ。

 直線はアルバートが3頭併せの真ん中へ。馬体がぶつかりそうなほど接近した併せ馬は、これまた実戦さながらにプレッシャーがかかる形。強めに追われながら最後は外のブライトバローズに2馬身、内のレアリスタにも1馬身遅れたが、ラスト1Fは12秒9だからアルバートが止まったわけではない。橋本助手は「間隔が詰まっていてあまりやる予定はなかったから、遅れは心配ない」と納得の表情。実戦に近い形ながらもオーバーワークは避ける。理想的な内容で臨戦態勢を整えた。

 堀厩舎は今年、国内外で全国トップの重賞10勝。その強さの理由の一つは「修正力」と言われる。昨年皐月賞を4角で外に膨れる荒っぽい競馬で勝ったドゥラメンテは1カ月後のダービーを今度は優等生の走りで制した。昨年の年度代表馬モーリスは距離延長に向けて「燃え過ぎる気性とゲート」(堀師)と課題を把握。他馬と接近した状況での調教で我慢を教え、今年は2000メートルの天皇賞・秋、ラストランの香港Cを連勝した。

 アルバートも昨年の経験を糧に雪辱に臨む。4連勝で臨んだ昨年は11着。スポニチ賞ステイヤーズS制覇からの参戦は昨年と同じだが、橋本助手は「昨年はコンスタントに使っていたが、今年は長期休養明けを2回使ってフレッシュ。昨年と違った形で来ているのでは」と話した。昨年以上に余力があるからこその再挑戦、そして中身の濃い追い切り。16年最後も堀厩舎が存在感を示すか。

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2016年12月23日のニュース