【有馬記念】(2)ゴールドアクター 中川師「このひと追いで…」

[ 2016年12月22日 05:30 ]

吉田隼を背に併せで追い切ったゴールドアクター。僚馬に半馬身ほど先着した
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 有馬記念出走16頭のうち15頭が東西トレセンで追い切りを行い、連覇を目指すゴールドアクターは及第点の動きを見せた。昨年の迫力には及ばないが、美浦Wコースを力強いフットワークで駆け抜けて併走馬に先着した。

 史上5頭目の連覇へ希望の光が差してきた。ゴールドアクターが4馬身先行したツインプラネット(6歳500万)に内から差を詰める。鞍上・吉田隼の右ステッキに応えて馬体を並びかけた。少し鈍く映る反応。併走馬を並ぶ間もなく突き放した昨年の迫力には及ばないが、それでも半馬身ほど抜け出した。ゴール後も手綱を緩めず2コーナーまで負荷をかけ続けた。「1週前に強めに追っているので、きょうはサラッと…折り合いと反応を見ました。いつも通りの動きでした」と馬上の感触を口にする吉田隼。その傍らでは中川師が「まずまずの動き。いい頃の状態に戻ってきた。昨年に近づいたと思う」と言葉を引き継いだ。

 前走・ジャパンCでは直線で伸び切れずに4着。「馬体重が増えていたし(プラス8キロ)、胸前の皮下脂肪が厚めに映った」(中川師)という。前走後は毎日の運動量を増やしてシェイプアップに専念。「追い切りを強めたところでさほど絞れるものでもないし、やり過ぎると壊れてしまう。脚元に過度の負担がかからない常歩(なみあし)の運動量を増やした」と語る。先週の測定で馬体重は500キロ弱。JC(504キロ)からの減量に成功した。

 だが、同師の目には不満な点も残っている。「数字上は減っても体の線がいい時に比べてもうひとつ。昨年のシャープさがない」。汗をかきづらい季節。明けて6歳になる牡馬だけに体の代謝機能が落ちているのだろう。同師はそんな見立てを口にする一方で、「このひと追いで良くなると思う」と直前の変わり身に望みを託した。

 小回り中山コースは器用さを生かして3連勝中。昨年の有馬記念、日経賞、オールカマーとも強さを際立たせた。緩い流れの瞬発力勝負に弱い半面、速い流れの消耗戦には強い。2周目3角手前から激流となるグランプリは本領発揮の舞台。決戦までの残る4日間で体の切れを取り戻せるかが連覇の鍵となる。

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