【香港Ｃ】引退戦エイシンヒカリ、連覇飾れず…直線半ば力尽き１０着

　大逃げを打つエイシンヒカリにシャティン競馬場が揺れた。「大ホームランか三振かの馬。勝負を懸けた」と武豊。昨年は粘り切った直線だが、今年は長かった。１番枠からスタート良く飛び出した。４Ｆ通過は５０秒１とスロー。鞍上はそこから徐々に後続との差を広げると、４角すぎで１０馬身近く差をつけた。だが、先頭だったのは直線半ばまで。後続にのみ込まれ１０着に終わった。「枠が出た時点で迷いはなかった。前回（天皇賞）はタメ逃げで、あの結果だったので、後半はペースを落とさなかった。一瞬、いけるかと思ったがキツかったね。でも彼らしい競馬ができた」と武豊。

　この日は装鞍前にパドックで放馬するアクシデントもあった。「額のところの馬具が切れたみたい」と坂口師。課題のイレ込み癖が最後まで顔をのぞかせた形だが、武豊は「相変わらずだったけど日本よりは全然レースがしやすい」とかばった。“らしさ”全開でターフを駆け抜けた姿は、香港のファンにも強烈なインパクトを残したはずだ。