【香港C】“異次元”モーリス有終V!堀師は史上初のG1同一日2勝

[ 2016年12月12日 05:30 ]

後続を突き放す圧勝で香港カップを制し有終の美を飾ったモーリス(右)
Photo By ゲッティ=共同

 モーリス有終V!JRA海外馬券発売第4弾「香港国際諸競走」が11日に香港・シャティン競馬場で行われ、香港カップで日本馬モーリス(牡5=堀)が2着に3馬身差をつける完勝でG1・6勝目、引退レースを飾った。また、香港ヴァーズでも堀厩舎のサトノクラウン(牡4)が勝ち、史上初の同一日G1・2勝の快挙を成し遂げた。

 次元が違う。そう思わせるほどモーリスの強さが際立っていた。香港でも日本でも断然の1番人気に支持されて迎えた現地名で「満楽時」と名付けられた名馬のラストラン。スタンドを埋め尽くすファンの大歓声に応え、2着に3馬身差をつけゴールへ。いつもはクールなムーアも笑顔で、パートナーに賛辞を惜しまなかった。

 「向正面でいいポジションを取ることができたし、直線で前が空いてからの手応えが良くて最後は流せたくらい。マイルで素晴らしいけど2000メートルではもっと強い。乗るたびに成長して乗っていて楽しい」

 ヒヤリとしたのはゲートを出た瞬間。跳び上がるようにスタートして取り残されかけたが、リカバリーが素早い。すぐに行き脚がついて1コーナーではしっかり馬群にとりついた。道中は内ラチ沿いを追走してロスを避けたコース取り。絶好の手応えで直線へ。馬群に生じたスペースに突っ込み瞬時に抜け出すと、ラスト1Fすぎにエイシンヒカリをかわし、あとは完全に独り舞台だった。

 天皇賞・秋の勝利をステップに香港へ。昨年の香港マイル、今年のチャンピオンズマイルに続く3度目の遠征。すっかり慣れた環境とあって調整の歯車が狂うことはなかった。同日G1・2勝について堀師は「ジョッキーがうまく乗ってくれて馬が頑張ってくれました。私としてはたまたまかなと思っています」と人馬を称えた。

 これで現役生活に別れを告げ、種牡馬入り。「これだけ強い競馬をしてくれて思い出深いし、忘れられません。堀先生やスタッフの皆さんに感謝しています。種牡馬として似た子を出してほしいです」と吉田和美オーナー。マイルと2000メートルの枠を超え、アジア最強を証明したDNAを産駒に引き継いでいく。

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