G1・10勝ホッコータルマエ引退…脚部不安でラスト2戦は幻に

[ 2016年12月1日 05:30 ]

今年の川崎記念で史上初となるG1・10勝目を飾ったホッコータルマエ(右)
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 チャンピオンズC(4日、中京)に出走予定だった史上最多のG1・10勝馬ホッコータルマエ(牡7=西浦)が11月30日、脚部不安のため出走を断念、このまま引退して種牡馬入りすることが決まった。

 この日は追い切りを行わず、共同会見に出席した西浦師は「昨日(29日)の調教後、左前肢にハ行が見られ、エックス線検査を行いました。骨に異常はないのですが、はっきりした診断が出ないので年内の出走を断念することになりました」と説明。2年前に制した当レースがJRAでのラストランとなる予定だったが、ゲートインできないまま現役生活に終わりを告げることになった。

 長らくダート界のトップで走り続けた名馬。4歳時のかしわ記念でG1初Vを飾ると、5歳のチャンピオンズCでJRA・G1初制覇を飾った。7歳を迎えた今年初めの川崎記念で史上初となるG1・10勝の快挙達成。指揮官は「これだけの名馬に巡り合えたのは、奇跡じゃないかな。幸せです」と感慨深げに振り返った。

 主戦の幸(全39戦中34回騎乗)は「乗せてもらえて、感謝しかない。ドバイにも連れて行ってもらえたし、いい経験をさせてもらいました。あと2戦の予定はあったけど、競馬で大きな事故にならず種牡馬として活躍できる状態で出せるのは救い」と一緒に戦ったパートナーをねぎらった。

 当初の予定通り、来春から北海道新冠町の優駿スタリオンステーションで種牡馬入り。東京大賞典(12月29日)後に大井競馬場で行う予定だった引退式について、指揮官は「これからオーナーと相談して決めていきたい」と見通しを語った。ドバイWCにも3年連続で挑戦するなど、世界の舞台で活躍した非凡な闘争心は20年にデビュー予定の産駒に受け継がれていく。

 ◆ホッコータルマエ 父キングカメハメハ 母マダムチェロキー(母の父チェロキーラン)牡7歳 栗東・西浦勝一厩舎所属 馬主・北幸商事 生産者・北海道浦河町市川ファーム 戦績39戦17勝(うち地方19戦11勝) 総獲得賞金10億7870万6000円(うち地方7億2765万円)

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