【チャンピオンズＣ】アウォーディー首差遅れも松永幹師「順調」

併せ馬で後方から差を詰めたものの、首差遅れたアウォーディー（左）
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　「第１７回チャンピオンズＣ」の最終追い切りが３０日、東西トレセンで行われた。栗東ではダートに転じて６連勝中のアウォーディーが、ＣＷコースで先行する僚馬を１０馬身追走するハードメニューを敢行。さすがに捉えることはできなかったが、及第点の動きを見せた。

　決して好時計を出す馬ではない。見栄えのいい動きをする馬でもない。それを思えば十分に合格点だった。アウォーディーのＣＷコース最終追いは格下の僚馬フェルメッツァ（５歳１６００万）を追い掛けて首差遅れ。それでも松永幹師は満足げに切り出した。「そんなに攻めで動くタイプじゃないけど、良かったね。状態が安定している馬で、どこが良くなったとかはないけど、順調に来ています」

　僚馬を約１０馬身追い掛けて６Ｆからスタート。あまりのビハインドに、見守る報道陣からは「単走か！？」の声も上がったほどだ。ところがジワリジワリと差を詰めて、４コーナー手前では早くも射程圏内。直線は内へ。ラスト３００メートルで半馬身差まで詰め寄ってから、やや集中力を欠くようなしぐさ。それもあって鼻面を合わせるところまではいかなかったが、時計は６Ｆ８２秒１～１Ｆ１２秒３をマークした。

　決して攻め駆けしないアウォーディーだけに十分と言える数字。師は「抜けるとやめるところがあるので、前を追い掛けて気を抜かさないようにやったんです。さすがに離され過ぎかなと思ったけど、取り付く脚は速かったね」とプラン通りに事が運んだことを明かした。

　出来に不足はない。あとはレースで結果を残すのみ。昨秋にダートに転じてから重賞５つを含む無傷の６連勝。前走のＪＢＣクラシックではホッコータルマエやコパノリッキーといった“超銘柄級”を完封した。ＪＲＡのＧ１には初参戦とあって「気持ちはチャレンジャー」と謙遜する師だが、何が何でも勝ちたいという思いはヒシヒシと伝わってくる。

　「中央のＧ１を勝たないことには、評価してもらえない。舞台が替わって、流れも違うとは思うけど、そこはジョッキーがよく分かっていると思う。任せるだけです」。名手・武豊の手綱が心強い。師走の尾張決戦を制し、現役ダート最強馬の座を誇示してみせる。