【マイルCS】ネオリアリズム気性難クリア!“緩急自在”ラスト12秒7

[ 2016年11月18日 05:30 ]

R・ムーアを背に併せで追い切るネオリアリズム(左)

 「第33回マイルCS」の木曜追いが17日に美浦、栗東両トレセンで行われた。美浦では札幌記念でモーリスを破ったネオリアリズム(牡5=堀)が併せ馬。課題の折り合い難をのぞかせたものの、軽快な動きで併入した。マイル初挑戦だが、兄はマイルG1優勝のリアルインパクトで血統面からも期待大。堀厩舎と鞍上のライアン・ムーア(33)は、昨年のモーリスに続きレース連覇を狙う。また、ムーアは来週のジャパンCでリアルスティール(牡4=矢作)とコンビを組むことも決定した。

 ムーアを背に、Wコースへと入ったネオリアリズム。2歳馬ハナレイムーンを3馬身先行させてスタートしたが、3角までは頭を高く上げ、折り合いを欠くシーンも見られた。だが、4角で内に併せると、鞍上が軽く促しただけで馬体が沈む。気性難を露呈した前半とは、まるで別馬。馬なりながらスピード感あふれる走りで併入した。

 5F71秒7の全体時計は控えめ。ただ、最初の1Fが15秒7で、ラスト1Fが12秒7。このラップの落差こそが陣営の狙いだ。堀師は「今日は緩急をつけた流れに、どう対応するかがポイント」と調教の意図を説明。「スローに落とした前半は口向きの悪さを見せた」と弱点を認めた上で「直線はフルスピードで、鞍上に感触を確認してもらった。気性の問題は鞍上も把握している。息遣いも含め態勢は整った」と仕上がりには合格点を与えた。ムーアも「最後は頭を下げて真っすぐ走っていたし、何の問題もない。いい動きだった」と振り返った。

 2000メートルの札幌記念を制しながら、初距離のマイルG1に参戦。堀師は路線変更の理由を2つ挙げた。「一つは前走がタフなレースで全身に疲れが出て、馬体の回復に時間がかかった点。もう一つは前走で逃げてしまったことで、折り合いにより気を使わねばならなくなったこと。現状ではマイルの方が乗りやすいと思う」。状態面に不安がないのは動きや馬体からも明白。例年、1F10~11秒台のラップで流れるマイルCSなら、折り合いの不安も軽減される。

 関東きっての強豪厩舎と世界的名手がタッグを組み、弱点もきっちり把握して挑む初のG1舞台。練られた戦略に、冷静沈着な手綱さばきが加われば、課題をあっさりクリアしても不思議はない。

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