【マイルCS】サトノアラジンは“大谷級”しまい圧巻11秒6

[ 2016年11月17日 05:30 ]

川田騎手を背に併走馬プリンスダム(左)を5馬身突き放したサトノアラジン

 秋のマイル王決定戦「第33回マイルCS」の追い切りが16日に東西トレセンで行われ、栗東では前哨戦のスワンSを制したサトノアラジン(牡5=池江)が圧巻の動きを披露。CWコースでラスト1F11秒6と豪快に伸びて併走馬を5馬身突き放した。4着だった昨年からの成長、休み明けを使った上積みとも絶大。池江師は愛馬に“大谷級”との期待を寄せた。

 まさに万全。サトノアラジンが主役候補にふさわしいパフォーマンスを披露した。川田も確かな手応えを得たのだろう。「課題?ないです。今回は(昨年Vの)モーリスはいませんから、ここでこの馬が一番強いことを証明できるようにしたいです」と不敵な笑みを浮かべた。

 CWコースでプリンスダム(5歳1000万)を1馬身半追走し、直線は内から楽に並びかける。残り300メートルで川田が仕掛けてからが圧巻だった。大きなフットワークでズバッと伸び、あっという間に5馬身差をつけた。池江師は「ナタの切れ味というのがピッタリだね」と、5冠馬シンザンの形容詞を用いてその末脚を表現。重馬場でラスト1F11秒6は申し分ない。

 重賞未勝利の身で臨んだ昨年は4着止まり。だが、この1年で重賞Vの勲章を2つ手に入れた。京王杯SC、スワンSとも目の覚めるような剛脚で差し切った。520~530キロ台の雄大な馬体。師は「以前は大型馬特有の緩さがあったのが芯が入ってきた。昨年よりしっかりしてきている」と目を細める。

 前走・スワンSは結果的には完勝だったが、追い切りの動きは良化途上の印象もあった。師は「トモ(後肢)の踏み込みが本来の感じじゃなかったし、ビックリした。ほんまかいなと思った」と振り返る。その後は反動もなく上昇。川田も「前回の追い切りとはガラッと馬が変わって、跳び自体が軽くなって走っている雰囲気も良くなりました」と上積みに太鼓判を押した。

 それでも師が愛馬に寄せる期待はもっと大きい。「まだ不安定。本当に本格化するのは来年かな」と話した上でプロ野球・日本ハムの大谷を引き合いに出した。「大谷だってまだ完成されていないでしょう。完成したら170キロだって出せるんじゃない?」。大谷同様、未完成でも天下を取れるだけの器との見立てが見え隠れする。未完の大器から真の名馬へ。マイルCSでのタイトル奪取がその第一歩となる。

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