【マイルCS】サトノアラジン100点!賢い顔で弱点の腰も強化

[ 2016年11月16日 05:30 ]

唯一の弱点だった腰に筋肉が付き、春よりたくましい馬体となったサトノアラジン

 サトノアラジンは造形美に満ちたイスラボニータと対極をなす野武士のような体形です。530キロもある馬体は骨太で肩の筋肉がせり上がっています。発達したキ甲、大きな飛節と膝、太い首…。しなやかなディープインパクトの産駒らしからぬごっつさ。馬力で遮二無二追い込んでくるレースの迫力そのままのたくましい馬体です。

 しかも、今春より明らかに成長している。腰の変化です。安田記念では鎧(よろい)をまとったように浮き上がっている他の部位と不釣り合いなほど腰が薄っぺらでした。ちょっと大げさに言えば、ライオンのジグソーパズルに1枚だけ羊のパーツをはめ込んだような…。ところが、今回はその唯一の弱点が解消されています。腰にいい筋肉を付けている。腰は背中とトモ(後肢)をつなぎ、推進力を加速させる部位。この重要なパーツも羊からライオンのものに変わり、百獣の王のジグソーパズルがついに完成しました。5歳冬を迎えたサラブレッドの完成形です。今春以上の走りができるでしょう。強力な腰が背中のパワーを後肢に伝えるダイナミックな走法が可能です。

 天は二物を与えず。実は大型馬には賢い顔が少ないものです。はっきり言ってしまえば、ずうたいのデカい馬には、バカヅラが多い。千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)で有名な童話「アラジンと魔法のランプ」。少年が服の裾でランプをこすると、ランプの中から煙と一緒に間抜けヅラの大男が「何のご用ですか?」と言って現れますよね。大型馬にもそんな顔つきが目立つ。でも、競馬のアラジンはキリッとした顔立ち。賢い面構えです。

 野武士のようなたくましさに弱点の腰も強化したアラジン。魔法のランプがなくてもG1獲りの願い事がかなうかもしれません。

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2016年11月16日のニュース