【天皇賞・秋】スティール ソフト仕上げでも軽快ラスト12秒5

[ 2016年10月27日 05:30 ]

力強く坂路を駆け上がるリアルスティール
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 今年のドバイターフを制して世界を驚かせたリアルスティールは、毎日王冠回避の影響を感じさせない動きを披露。「世界最強」の称号は譲れない。

 最善の策を尽くして大舞台に送り込む。今春のドバイターフを制したリアルスティールは、坂路単走でサッと駆け上がり“ソフト”に仕上げた。残り2Fから1F12秒3→12秒5と軽快なラップを刻み、秋始動予定の毎日王冠を回避した不安を一蹴した。共同会見に現れた矢作師は「やれる範囲のことはやれたかな」と満足げに切りだした。

 「日曜(23日)の調教で、だいたい仕上がったと判断できたし、今日は上がり重点。いい動きだったね。毎日王冠も走れない状態ではなかったが、使った後の反動が怖かったから。上昇カーブを描いたまま来られたし、見送って良かった」

 安田記念(11着)後はノーザンファームしがらきで夏場を過ごし、9月14日にトレセン帰厩。秋の始動戦に向けて乗り込んでいたが、夏負けの症状が見られた。指揮官は「息遣いが満足いかず回避したけど、今は良化している」と断言。

 昨年のクラシック3冠(2→4→2着)を含め、常に上位争いしてきたトップホース。前走の惨敗には「今まで崩れなかっただけに、大敗が引っ掛かる」とショックを隠せない。敗因について「レース当日のテンションが高かった。ゲート前の雰囲気とかも嫌な感じがした」と振り返り、「レース週の追い切りが強かったのが一因かも」と分析。直前は軽めの調整で結果が出たドバイ遠征と同様、ソフト仕上げで反撃を期す。

 M・デムーロとの新コンビも、巻き返しの起爆剤となる。1週前に感触を確かめた鞍上は「とてもいい状態。折り合い面も凄く良かった」とぞっこん。昨春のクラシックでドゥラメンテの手綱を取ったジョッキーは「いいライバルだった。一緒に競馬していたし、よく勉強したね」と癖は知り尽くしている。矢作師も「攻撃的に乗ってくれそうだし期待している」と力を込めた。強力タッグで輝きを取り戻すことができるか。

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