【菊花賞】初づくしのラスト1冠!サトノダイヤモンドが菊制覇

[ 2016年10月24日 05:30 ]

<京都11R・菊花賞>サトノダイヤモンドで勝利しガッツポーズで引き揚げるC・ルメール
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 3歳牡馬クラシック最終戦「第77回菊花賞」は23日に京都競馬場で行われ、1番人気のサトノダイヤモンドが2馬身半差の圧勝。皐月賞3着、ダービー2着に敗れた春の雪辱を果たした。オーナーの里見治氏(74)はこれが悲願のG1初制覇。人気を分け合った皐月賞馬・ディーマジェスティは4着に終わった。

 やはり桁が違う。そう思えるほどサトノダイヤモンドの強さが際立っていた。ラスト1Fで抜け出すと、そこから先は独り舞台。2着レインボーラインに2馬身半差をつけ、悠々とゴールを駆け抜けた。検量室前に引き揚げてきたルメールは、馬上でパートナーに抱きついて感無量の面持ち。笑顔あり、涙ありで出迎えたオーナー関係者の歓喜の輪に飛び込んだ。

 「感情が高ぶっています。日本のクラシックを初めて勝たせてもらって凄くうれしいです。彼と春にG1を勝てなくて残念だったけど、ついに勝てました」

 デビュー3連勝で臨んだ春のクラシックは皐月賞3着、ダービー2着。ラスト1冠、無冠返上へロスのない完璧なレース運びで、3000メートルを攻略した。ポンとゲートを飛び出すと中団で折り合いに専念。鞍上は「スタートしてからあまり出していかず、我慢させました」と冷静に振り返る。返し馬で力むシーンはあってもゲートが開けば、しっかり折り合って終始、絶好の手応え。向正面でジワッと外に出して進路を確保すると、直線はクッキリ視界が開けていた。

 「彼はとても乗りやすいし自信がありました。直線でステッキを入れた時の反応が凄かったです。前走(神戸新聞杯1着)は先頭に立って少し伸びが鈍ったけど、今日はゴールまで頑張ってくれました」

 ディープインパクト産駒にとって3000メートル以上での初勝利となり、史上初の世代限定G1レース完全制覇を達成。父ディープインパクトとの史上5組目の父子制覇も達成した。池江師は「とにかく神戸新聞杯の時と馬が違ったんです」と仕上がりの良さを勝因に挙げる。「結果がどうなるかは分からないけど、いい状態に持ってこられたという自負があったんです。スタッフが頑張ったし、ダイヤモンド自身も厳しいメニューに応えて、ルメールが完璧に乗ってくれました」。

 さらに里見治オーナーにとっては待望のG1初制覇。「オーナーには(父・池江泰郎氏と)親子でお世話になっているし、ようやく一つプレゼントできました」と安どの笑み。「これからどんどんG1をプレゼントして恩返ししたいです」と気持ちを新たにした。

 年内はもう1戦。陣営は香港ヴァーズ、香港カップ(いずれも12月11日、シャティン)、有馬記念(同25日、中山)の3択だが、里見オーナーは有馬記念を希望している。来年については「今年、断念した凱旋門賞を視野に逆算してローテを組んでいきたい」と池江師は意気込みを語った。活躍の場は国内外を問わず。磨きをかけられるダイヤモンドはこの先、まだまだ輝きを増していく。

 ◆サトノダイヤモンド 父ディープインパクト 母マルペンサ(母の父オルペン)牡3歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・里見治氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績7戦5勝 総獲得賞金3億7156万2000円。

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