【秋華賞】小さなビッシュ迫力十分!戸崎「自信を持って乗れる」

[ 2016年10月13日 05:30 ]

戸崎を背に、同厩のアンテレクテュエル(右)に並びかけるビッシュ
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 小さなビッシュがラスト1冠獲りへ視界良好!!「第21回秋華賞」の追い切りが12日、美浦、栗東トレセンで行われた。戸崎を背にWコースで躍動したビッシュは、前走時420キロの小さな馬体を弾ませ、500キロオーバーの巨漢僚馬相手に迫力ある動きを披露した。

 前走時420キロの、ひときわきゃしゃな体のビッシュが、500キロを優に超えるアンテレクテュエル(3歳未勝利)とWコースで併せ馬を敢行した。戸崎を背に、5馬身後方からスタート。そのフットワークは軽やかでしなやかながら、巨漢パートナーに迫力面で全くヒケを取らない。4コーナーで内へ滑り込み徐々に差を詰めると、馬なりのまま併入でフィニッシュ。5F68秒3~1F13秒4。初の関西圏への輸送を控えていることもあり、速い時計は必要ない。

 鹿戸師が「最後しっかり併せてヤル気を出させるような稽古。順調です」と満足げな表情を浮かべれば、戸崎も「元気で手応え十分。これなら自信を持って乗れる」と胸を張る仕上がりだ。

 オークス馬シンハライトが屈腱炎で回避し、一躍主役の座に躍り出た。オークス3着はメンバー中最上位。さらに、紫苑Sでは余力たっぷりに後続を2馬身半突き放す完勝劇。初騎乗となった戸崎も「体が小さいのにセンスのいい走りをすると思って見ていたが、実際に乗ると体全体を使って小ささを感じさせないフットワーク」と称賛の言葉を並べた。

 この小さな体のどこから、パワーがあふれてくるのだろう?担当の成田助手はこう説明する。「走ることが好きだからでしょう。馬房ではおとなしくボーッとしていますが、外に出たら楽しそうに歩くんです。調教に行く時はスキップしているように走りだしますね」

 競走馬にとってレースや調教は、決して楽しいことではない。日々厳しいトレーニングを課せられ、レースで頑張って走っても見返りがあるわけではないからだ。しかし、ビッシュには、走ることを心から楽しむ“天性”のセンスが備わっている。楽しいことをする時に、体も心も大きくなるのは人間も馬も同じだ。

 初の長距離輸送、京都コースとなるが、戸崎は「攻略法は特にありません。実力がある馬なので、しっかり騎乗したいと思う」と至って自然体。全国リーディングを突っ走る頼もしい鞍上のエスコートで、最後の1冠をもぎ取ってみせる。

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