【凱旋門賞】やっぱり怖い3歳牝馬!夏越え覚醒したレフトハンド

[ 2016年9月29日 05:30 ]

調教するレフトハンド(撮影・aprh)

 今年もやっぱり3歳牝馬が怖い!世界最高峰の仏G1「第95回凱旋門賞」が3日後に迫ってきた。下馬評はポストポンドやマカヒキなどの牡馬が優勢だが、このレースで侮れないのは過去10年で3勝の3歳牝馬。そこで前哨戦のヴェルメイユ賞でG1初制覇を果たしたレフトハンド(仏、ラフォンパリアス)に注目した。春のG1では勝ち切れなかったが、夏を境に急成長。重量面の大きなアドバンテージを生かして番狂わせを狙う。

 有力とされていたラクレソニエールが離脱して、マインディングが去っても、私がいるわ。過去10年で3勝を挙げる3歳牝馬。出走重量54・5キロで同じ3歳の牡馬マカヒキに対してなら1・5キロ、古馬の牡馬ポストポンドに比べれば5キロというビッグアドバンテージを生かしての激走が目立つが、仏2冠牝馬と英オークス馬が出走しない今年はさすがに出番がないのか。いやいや、決してそんなことはない。堂々と宣戦布告したのは仏リーディング2位の名手M・ギュイヨン(27)。前走ヴェルメイユ賞でG1初制覇を果たした“恋人”レフトハンドで自身初制覇を狙っている。

 「とにかく重量のアドバンテージが大きいよ。レフトハンドは凄く乗りやすいのがセールスポイント。ヴェルメイユ賞の勝ちっぷりが良かったように距離も合うし、期待しているんだ」

 確かに超ビッグネームに比べれば実績はインパクトに欠ける。しかし春は勝ち切れなかった馬が7月のドーヴィルのG3プシシェ賞、さらに前走ヴェルメイユ賞と堂々の2連勝だから“覚醒”の2文字が当てはまる。とりわけ前走は前半1800メートルが1分59秒2という超スローペースの中での差し切りで、非凡な瞬発力と勝負強さを感じさせた。管理するC・ラフォンパリアス師(53)は97年サクラローレル、06年ディープインパクトと仏遠征した日本馬を2度も厩舎に受け入れた親日家。日本の報道陣に囲まれると、思わず本音が飛び出した。

 「春は風邪がはやって、この馬もどこか元気がなかったけど、そこから見事に復活してくれたね。ディアヌ賞(仏オークス)ではラクレソニエールに負けてしまったけど、当時から格段に馬は良くなっているよ」

 ポストポンドを筆頭に強豪が顔をそろえたが、「今年はみんなにチャンスがあるようなレースだね」ときっぱり。そんな混戦を断つのはウチの馬、とでも言いたげな不敵な笑みが怖さを引き立たせていた。

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2016年9月29日のニュース