菜七子 自身初1日3勝!女性トリオ“競演”名古屋で堂々の主役

[ 2016年9月22日 05:30 ]

レース後は藤田(中央)の3勝を祝って指で「3」の宮下(右)、木之前の女性騎手トリオ

 新人女性騎手の藤田菜七子(19)が自身初の1日3勝を挙げ、高知の600勝騎手・別府真衣(29)らと肩を並べた。21日に地方10場目となる名古屋競馬に初参戦し、7戦3勝の大活躍。菜七子の勝利は7月18日の佐賀以来で、通算12勝(中央4勝、地方8勝)となった。同競馬に所属する宮下瞳(39)、木之前葵(23)との女性3騎手競演も実現。秋競馬本番に向け、弾みのつく遠征となった。

 待望の“女子会”で菜七子が堂々の主役を務めた。現役女性最年長騎手の宮下に「(きょうは)菜七子マジックだと思います」と褒められると、しきりに照れ笑い。それでも「反省点はあるけど、ある程度は思い通りに乗れました」と納得の表情を浮かべた。

 6Rのローレンマックス、9Rのアベックモアで共に逃げ切りVを飾った。小雨交じりの曇天で不良馬場。「馬場も良くないし小回りなので、積極的に前に行く競馬をしたいと思っていた」。持ち前のスタートのうまさを生かし、狙い通りの競馬で好走を重ねた。

 逃げだけではない。12Rのデスドロップは速い馬を行かせて好位から。4角で早めに並びかけて2馬身半差の快勝に導き、管理する新山師も「100点満点」と絶賛した。これまで浦和と金沢で1日2勝はマークしているが、3勝は初めて。節目の通算10勝をあっさり通過点にして12勝まで伸ばした。

 楽しみにしていた先輩女性騎手2人との競演も実現した。「隣にいる時や返し馬の時などに技を盗もうと見ていた。バタバタしてあまり話せなかったけど、今後も連絡したい」。3人そろった3レースで女性ワンツーはならなかったが、8Rで宮下2着、菜七子3着など女性騎手が存在感を示した。

 7月18日の佐賀以来2カ月ぶりの勝利。デビュー以来最長の“トンネル”を抜け、菜七子スマイルが戻った。「優しい人ばかりでうれしかった。また名古屋に来たいです」。名古屋で菜七子が得た収穫は計り知れない。

 ▼宮下 7戦3勝は立派な成績。それも凄く人気のある馬ではなかったから。馬のじゃまをせず柔らかい。

 ▼木之前 先入観がなく失敗を恐れていないのがいい。

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