【セントウルS】栗東の坂路にネロ君臨!初重賞へド迫力48秒7

[ 2016年9月9日 05:30 ]

坂路を軽快に追い切るネロ

 秋競馬開幕週の阪神メインはサマースプリントシリーズ最終戦「第30回セントウルS」。唯一の木曜追いでネロが絶好の動きで好調をアピールした。坂路で4F48秒7は飛び抜けた一番時計でも栗東で一、二を争う脚力自慢にとって、これくらいは朝飯前と言わんばかり。重賞初制覇へ絶好のチャンスを迎えた。

 夜明け前に坂路をすさまじい勢いで駆け上がった。ネロは午前5時の開門と同時に馬場入り。ライトに照らされた栗毛の馬体が、放たれた矢のごとく頂上に向かって真っすぐ伸びてくる。併走パートナーのヨシオ(3歳1000万)が食らい付いたが最後は突き放して4馬身先着。ド迫力のパフォーマンスで4F48秒7~1F12秒5とモニターに一番時計を刻み込んだ。その気になればアッサリ4F50秒を切る脚力自慢。自己ベストにはコンマ5秒、届かなくても水分を含んだ重いウッドチップで、これだけ動けるあたりが好調の証だ。清水助手は笑顔で切り出した。

 「先週も坂路(4F48秒4~1F12秒5)でビッシリやっているけど、これだけやってもカイ食いが落ちたり、反動が出たりしないんです。この中間も状態はそんなに変わりないですよ」

 ここ2走は新潟の千直を狙い澄ましたローテで続けて2着。夏のスプリント女王ベルカントとの一騎打ちとなった前走・アイビスSDは惜しくも頭差で敗れたが出脚の速さ、スピードの持続力は光っていた。「重賞だと少し甘くなるんですよね。でも前走はベルカントにピッタリ来られながら、よく頑張っている」と納得の表情。その後は中5週で迎える阪神開幕週のここに照準を合わせてきた。

 「4走前のシルクロードS(9着)は1200メートルで崩れたけど、あのときは体が増えて馬が四角くなり過ぎていました。冬場より汗をかく時季の方が調整しやすいし、今は体が絞れている。それでいてパワーは落ちていない。距離は1200メートルでも全く問題ない」

 出来は充実。重賞ウイナーに実績では見劣っても夏場に使ってきたアドバンテージがある。実りの秋へ。脂の乗り切った5歳馬が7度目の重賞チャレンジで待望の初タイトルを狙っていく。

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2016年9月9日のニュース