【札幌2歳S】“川崎の星”トラスト快勝!地方馬3頭目の快挙

[ 2016年9月4日 05:30 ]

スタート直後ハナを切りゴールまで逃げ切って勝ったトラスト(5)と柴田大知騎手

 「第51回札幌2歳S」が3日に札幌競馬場で行われ、公営・川崎から参戦した5番人気トラストが後続に2馬身半差をつけて逃げ切った。地方馬の同レース制覇は01年ヤマノブリザード、03年モエレエスポワール(いずれも道営)以来3頭目の快挙となった。

 わずか2週前の中央初戦とは一変した脚力。JRA所属馬12頭を引き離す独走劇を決めたトラストの馬上で柴田大が顔を紅潮させている。「前走(札幌・クローバー賞2着)は1番人気を裏切ってしまったが、出来が返し馬から全然違っていた。直線で物見をしていたので(後続馬が)来ないでくれ!と念じて追った」

 その傍らでは岡田繁幸オーナーが雪辱を果たした芦毛をまぶしそうに見つめている。「能力がよほど高くなければこれほどの着差はつけられない。前走は直前に札幌入りする2歳馬に酷な日程でイレ込んだが、よくやってくれた」。1歳時から同オーナーの経営するビッグレッドファーム(北海道)で鍛え抜かれてきた。「体が凄く柔らかくて並外れた素質を持っている。だから特別扱いでハードトレを課してきた」という。

 今後は登録を済ませた来年6月の英国ダービーから日本ダービーに目標を切り替え、栗東・中村厩舎に移籍する。「英ダービーは同じ河津厩舎に入れたコスモス(馬名未登録、牡2、父フリオーソ)で目指したい。今月、能力検定を受けるが、こちらも凄い馬です」

 トラストに付きっきりで馬体を立て直した河津師は喜びと別れの寂しさが交錯した表情を浮かべた。「やっと本当の力を見せられた。中央のG1でも通用すると思うし、応援していきたい」。中央馬としてトラストの第2章が始まる。

 ◆トラスト 父スクリーンヒーロー 母グローリサンディ(母の父エイシンサンディ)牡2歳 川崎・河津厩舎所属 馬主・岡田繁幸氏 生産者・北海道新冠町中本牧場 戦績4戦3勝(うち中央2戦1勝)総獲得賞金4291万8000円。

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2016年9月4日のニュース