【札幌記念】リアリズムが逃げ切り重賞初V ルメールの“秘策”奏功

[ 2016年8月22日 05:30 ]

札幌記念をネオリアリズムで勝利し、ガッポーズするルメール

 敵は身内にいた。サマー2000シリーズの第4戦「第52回札幌記念」で昨年の年度代表馬モーリス相手に大金星を挙げたのは、同じ堀厩舎の同期ネオリアリズム。逃げの手に出たルメールの“秘策”がピタリとはまり、重賞初Vを飾った。2000メートル初参戦のモーリスは届かず2馬身差の2着。

【レース結果】

 会心の勝利にルメールは満面の笑み。「ジョーカーカードを切ったんだ」。ちゃめっ気たっぷりに自画自賛した。これまで一度も逃げたことがないネオリアリズムが果敢にハナに立つ。1000メートル通過59秒9はやや重の発表以上に重い馬場を考えれば速い。それでも全ては思惑通りだった。

 パートナーとは昨夏の札幌でコンビを組んで2戦2勝。能力を確信する一方で折り合い面の課題も感じていた。「最初はモーリスを負かすのは難しいだろうと思っていた。でも新聞を見たら逃げ馬がいなかった。逃げれば馬もリラックスできると思ったし、金曜に奥さんにだけは“逃げる”って話したんだ」。昨年JRAの騎手免許を取得した名手はいまや新聞も理解できる。「モーリスには凄い瞬発力があるけど2000メートル、重い馬場、それにいいペースになれば、それが落ちると考えた」。モーリスの上がり3Fはメンバー最速とはいえ3着レインボーラインと同じ36秒3。ルメールがつくったペースがライバルの最大の武器である切れ味を封じ込めた。

 終わってみれば2馬身差快勝。これにはノーザンファームの吉田勝己代表も「ネオがよっぽど強いのかな」と驚きを隠さなかった。次走は天皇賞・秋(10月30日、東京)が有力。堀厩舎からまた1頭、個性派スターが登場した。

 ◆ネオリアリズム 父ネオユニヴァース 母トキオリアリティー(母の父メドウレイク)牡5歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績14戦6勝 総獲得賞金1億4423万5000円。

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