【札幌記念】モーリス距離OK!モレイラ「自信持っていける」

[ 2016年8月18日 05:30 ]

モレイラを背に、芝コースでネオリアリズム(左)と併せて追い切るモーリス

 北の大地で、最強馬と最強ジョッキーが合体した。サマー2000シリーズ第4戦「第52回札幌記念」の主役モーリスが17日、函館芝コースで最終追い切りを行った。マイル王者にとって2F延長となる今回、最大のポイントは折り合いだったが、僚馬を前に見ながら我慢の利いた走り。5月のチャンピオンズマイル以来、3カ月半ぶりに騎乗した香港No・1ジョッキーのジョアン・モレイラ(32)も「動きには満足。距離にも自信はある」と、勝利を確信したような口ぶりだった。

【札幌記念】

 今にも雨が降りだしそうな曇り空とは対照的に、名手の心にわずかに残っていた不安はすっきりと解消された。中距離への“転向初戦”となるモーリスの最終追い。鞍上の意に沿った我慢の利いた走りに、モレイラは実にうれしそうだ。

 「しっかりとコントロールできたし、満足のいく動きだったよ。2000メートルなら前半の70%ぐらいは折り合いがポイントになるけど、僕の知っているモーリスならば大丈夫。距離には自信を持っていけるね」

 1週前追いも素晴らしい動きだった。ただ、2F延長を考えれば、折り合いに一抹の不安を感じさせたのも確か。その点、この日は中距離仕様の隙のない走りだった。2コーナー奥の芝1200メートルのスタート地点から、前にウムブルフ(3歳1000万)、後ろにネオリアリズム(5歳オープン)を置いてスタート。しっかりとタメを利かせつつ、少しずつペースアップ。コーナリングでウムブルフをかわすと、直線は内のネオリアリズムと併走。共に馬なりのまま、半馬身ほど前でゴールを通過した。

 「状態は香港の時と同じぐらいだね。気持ちの部分では少し下に感じたけど、今は上昇中と聞いている。競馬に向かって良くなるだろうし、香港の時より上になる可能性もあるからね」

 レースのイメージもうっすらと出来上がっている。「2番手でも16番手でも前に1頭いた方がいいけれど、枠は内でも外でもどこでもいい。小回りは直線に向いて混み合うことも多いけど、そこは僕の仕事。問題ありませんよ」

 初騎乗だった5月のチャンピオンズマイルを制し、「僕が今まで乗った馬の中でもNo・1」と称えた。待ちわびた再タッグの一戦、“マジックマン”の異名を持つ名手はどこまでも強気な姿勢を崩さない。

 「マイルで最高の馬だから、どの距離がベストなのかはレースが終わらないと何とも言えない。ただ、2000メートルでも問題ないことは自信を持って言えるよ」

 もはやモーリスがどんな勝ち方をするかが最大の焦点だ。真夏の札幌で、誰もが震撼(しんかん)するような強さを見せつける。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月18日のニュース