新人・保園 強い輝きと意志

[ 2016年8月5日 05:30 ]

保園騎手

 【地方競馬です!!】鮮やかな紫に黄色い星を散らした勝負服が連日、南関で躍動している。新人騎手の保園翔也(20=浦和・山越)だ。

 4月25日、ルーキーでは異例のデビュー日フル騎乗(規定で8鞍)を果たした。最高は3着。レースを終え、コース脇の長板ベンチにポツンと腰掛け、遠くを見つめていた保園に声を掛けた。「悔しくて…。たくさん乗せてもらったのに全然結果を出せませんでした」。目には涙はなかった。強い輝きと意志が感じ取れた。5月2日に船橋で初V。川崎、浦和、大井でも白星を挙げ、4日大井5Rで8勝目。騎乗機会は200を超えた。

 栃木県益子町出身。全国大会上位進出もある矢板中央高サッカー部で汗を流した。ぼんやりと進路を考えていた高2の秋、偶然12年の凱旋門賞を見た。オルフェーヴル2着。世界の注目を集める中、スミヨン騎手のパフォーマンスに感動した。「これだ!と思った。直感的でした」。乗馬経験なし。つてもない。あてもなく栃木の牧場に電話したのがきっかけで人の縁がつながり山越厩舎へ道が通じた。「周りが見えるようにはなったけど、惜しい2着の時、勝った先輩との差を痛感します。しっかり勝ち切り、期待に応えられるように一戦一戦積み重ねていきたい」。強い視線でそう語った。 (池田 裕文)

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2016年8月5日のニュース