【ラジオNIKKEI賞】ゼーヴィント重賞初V!直線で「潮風」乗った

[ 2016年7月4日 05:30 ]

重賞初優勝を飾ったゼーヴィント

 本格的な夏競馬の到来を告げる重賞が3日、東西で行われた。福島では「第65回ラジオNIKKEI賞」が行われ、1番人気のゼーヴィントが豪快に差し切って重賞初制覇を飾った。騎乗した戸崎圭太(35)は区切りのJRA重賞通算30勝目。

【レース結果】

 ゼーヴィントの鞍上・戸崎が表彰台で思わず吹き出した。管理する木村師も優勝トロフィーを抱えながら笑っている。「おめでピーヤ!!おっぱっぴー」。表彰プレゼンターを務めた沖縄・久米島出身の芸人、小島よしおが海パン姿でダンスを始めると、静かなウイナーズサークルは一転してお笑い劇場へ。「テンションが高くて心配したが、そんなの関係ねぇ!って勝ち方でした」。生真面目な木村師が白い歯を見せながら、小島よしお調で口火を切った。

 すさまじい脚取り。中団のインで折り合うと、直線で外から猛然と差を詰める。ドイツ語で「潮風」の意味を持つゼーヴィントは、内陸の福島競馬場でも海風に乗ったようにストライドを伸ばした。海パン男が待つゴールへ。先に抜け出したダイワドレッサーに1馬身1/4差。強さだけを際立たせた。

 「内で我慢ができたし、直線の手応えも十分。馬群の隙間を縫う感じでうまく立ち回ってくれた。レースが上手なんです」。戸崎は自身のJRA重賞30勝目を振り返る。「前々走(山藤賞)の勝利で素質を感じていた。重賞も、ハンデ(54キロ)を考えれば勝たなきゃいけないと…。それにしても、課題のゲートをクリアできたのが大きい」と続けた。前走・プリンシパルSでは出遅れが響いて3着止まり。木村師は「ゲートをしっかり出す。調教で修正してきたことが競馬でもやれたのかなと思う。きょうはゲート内で行儀が良かったから」と言葉を継いだ。

 荒れやすいハンデ重賞も昨年のアンビシャスに続きディープインパクト産駒の1番人気馬が優勝。「ゲートを出た後のフットワークを見ると、やっぱりディープだなと感じる。沈み方が違う」(同師)という“潮風”は今後どこに吹くのか。「オーナーと相談だが、凱旋門賞に行けとは言われない(笑い)。私としては秋まで休ませ、さらに大きくなってくれればと…」。おめでピーヤ!!海パン男の祝い踊りに、木村師が再び目尻を下げる。愛馬の素質を実感した笑顔だった。

 ◆ゼーヴィント 父ディープインパクト 母シルキーラグーン(母の父ブライアンズタイム)牡3歳 美浦・木村厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績6戦3勝 総獲得賞金5865万6000円。

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