【名古屋・高松宮記念杯】新田が宮杯初制覇!リオ五輪切符逃し発奮

[ 2016年6月20日 05:30 ]

決勝で1着となり、雄叫びを上げる新田

 新田が初めて宮杯を手にした。平成28年熊本地震被災地支援競輪・G1「第67回高松宮記念杯」の決勝戦が19日、名古屋競輪場で行われ、新田祐大(30=福島・90期)が優勝。賞金2890万円と「グランプリ2016」(12月30日、立川)の出場権利を獲得した。新田のG1優勝(4日制以上)は15年9月の松戸オールスター以来3度目。なお、G1初決勝の郡司浩平が2着に入り、2車単(2)(6)5370円(22番人気)の波乱となった。

 レースは人気を二分した中部勢の前受けから始まった。新田はその後ろ、4番手からのスタート。赤板前から動いた平原が腹をくくって先行態勢に。その3番手で浅井と郡司が併走する流れ。このチャンスを新田は逃さなかった。

 「前夜から山崎さんが新田祐大になったつもりでレースの組み立てを考えてくれた。その気持ちに応えたいと思って走った」

 1コーナー目がけての仕掛けで平原をねじ伏せて最終バックを奪う。雨走路の中、11秒1のハイラップでゴールへ一直線。昨年のオールスター以来となるG1優勝に笑顔がはじけた。

 リオ五輪切符を逃した新田。2020年の東京こそという思いで今年4月、自転車競技チーム「ドリームシーカー」を立ち上げた。初陣となった6月の台湾トラックカップ。計4種目全てでチーム所属選手が金メダルを獲得。新田自身もスプリントを優勝した。

 「(リオ五輪に行く)中川誠一郎さん、渡辺一成さん、脇本雄太君には五輪で頑張ってほしいが正直、悔しい思いもある。日本一とは言われても、世界で通用しないのが自分の中でしゃくにさわる。(世界と戦うアスリートとしてだけでなく)競輪選手としても活躍できるよう、この活動を続けていきたい」

 7月8日からの伊豆ジャパントラックカップに参加予定。9月まで“両立”する日程が詰まっている。「それもクリアしてグランプリに向けて頑張りたい」。日本最速の男は高いハードルを自らに課し、夢へと突き進んでいく。

 ◆新田 祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日生まれ、福島県会津若松市出身の30歳。県立白河高卒。05年7月プロデビュー。通算成績は758戦252勝。通算取得賞金は6億2899万円。主な優勝は第68回日本選手権競輪(15年)、第58回オールスター(15年)、第67回高松宮記念杯(16年)。1メートル73、87キロ。血液型O。

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