【エプソムC】1番人気ルージュ鮮やか差し切り!1年4カ月ぶりV

[ 2016年6月13日 05:30 ]

鮮やかに差し切ったルージュバック(右)

 強いルージュが帰ってきた!「第33回エプソムC」が12日に東京競馬場で行われ、1番人気のルージュバックが大外から鮮やかに差し切って、2着に2馬身半差をつける快勝。15年2月のきさらぎ賞以来、約1年4カ月ぶりに勝利の美酒を味わった。昨年は世界No・1馬エイシンヒカリが勝った出世レースで、天才少女が復活を強くアピールした。

【レース結果】

 天才少女ルージュバックが帰ってきた。約1年4カ月ぶりに先頭で駆け抜けたゴール板。戸崎のガッツポーズが、苦汁の日々の記憶を打ち砕いた。

 「あまり考えずにリズムよく走らせようと思った。ちょうどいい所で我慢できた」。大外枠18番枠から飛び出したルージュは中団の外を追走。逃げるマイネルミラノがつくり出すペースは、前半1000メートル60秒5のミドルペース。残り300メートルでも内で粘るミラノははるか前方。だが戸崎は「ミラノとは距離があったけど、大丈夫だと思った」と動じなかった。確信を持って追いだすと、その差はみるみる詰まっていく。離れた外から楽々と抜き去ると、後方から追い上げたフルーキーの追い上げも全く問題にしなかった。

 会見で戸崎は「この馬でG1を勝てなくて本当にすみません」とファンに謝罪した。新馬戦から3連勝、牡馬相手にきさらぎ賞を制覇し、昨年の牝馬クラシックの主役に躍り出た。秋には凱旋門賞挑戦のプランも出たほど。だが、単勝1・6倍に推された桜花賞でまさかの9着。その後はオークス2着など善戦はするものの、勝ち星からは見放されていた。「この馬に申し訳ないレースをしてきた。やっとルージュの強い姿を見せることができたし、(秋は)G1を勝ちたい」と力強く宣言した。

 レース後はすぐにノーザンファーム天栄に放牧に出され、約10日前に美浦に帰厩するのがルージュバックの臨戦パターン。前走・ヴィクトリアM(5着)後も放牧先で仕上げられ、レース11日前の1日に帰厩。大竹師は「この形を繰り返してきて結実した。馬もこのパターンを理解している。以前はカイバ食いを気にしてやりすぎないようにしていたけど、今は乗り込んでも影響はない。ノーザンとこっちでイメージしていた姿に近づいている」と目を細めた。

 今回もすぐに放牧に出され、次戦に向けて力を蓄える。「次は何も決まってないけど、ここで賞金を加算できたので選択肢が広がった」と師。昨年のエプソムCを勝ったエイシンヒカリは、今や世界一の座へ。ルージュの逆襲はここから始まる。

 ◆ルージュバック 父マンハッタンカフェ 母ジンジャーパンチ(母の父オーサムアゲイン)牝4歳 美浦・大竹厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績10戦4勝 総獲得賞金1億8042万7000円。

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2016年6月13日のニュース