【安田記念】リアルスティール猛時計4F50秒8!福永「完成の域」

[ 2016年6月2日 05:30 ]

福永を背に坂路で追い切るリアルスティール(左)

 凱旋Vへ、スティールが最高潮だ!!春の最強マイル王決定戦「第66回安田記念」の最終追いが1日、美浦、栗東トレセンで行われた。3月のドバイターフで念願のG1初制覇を飾ったリアルスティールが栗東坂路で4F50秒8の猛時計をマーク。再コンビの福永も「完成の域」と絶賛する究極仕上げ。昨年の年度代表馬モーリスを脅かす存在になるのは間違いない。同レースの出走馬は2日に決まり、枠順は3日確定する。

【安田記念】

 ドバイの感動から2カ月あまり、国際G1勝ちの看板を引っ提げてリアルスティールが日本のターフに帰ってくる。凱旋レースとなる安田記念に向けた最終追い。手綱をとった福永は「完成の域に近づいています」と進化を口にした。

 「デビューからずっと成長過程を近くで見てきたが、トモの入りが良くなり、全身を使えるようになってきた。こういう成長をするだろうと、イメージしていた通りの走りになってきました」

 朝一番の坂路で全兄ラングレー(次週のエプソムC出走)を2馬身ほど前に置いてスタート。引っ張り切りでジワジワと並びかけて、ラスト1Fを過ぎてスパート。最後まで馬なりのラングレーをスッと突き放して、1馬身半先着した。動きはもちろん、自身2番目となる4F50秒8~1F12秒0の時計も優秀。福永も出来に太鼓判だ。

 「1週前追いは前半のペースが遅く、全体時計も遅くなった。それだけに(最終追いは)いつもより負荷をかけようと考えていました。コンディションは凄くいいし、筋肉量が増えてマイルに対応できる体つきになってきましたね」

 3歳時はクラシックの王道を歩んだが、そこに適性があったわけではない。「元々2000メートル前後が適していると思っていたし、1600メートルは力を発揮しやすいコース。左回りはいいし、コーナリングがうまくないのでワンターンも合います」と福永。前走ドバイターフはオーナーサイドの意向で無念の乗り代わり。かつての相棒が、ムーアの手でG1馬になる瞬間を見届けるしかなかった。それだけに再度巡ってきたチャンスに懸ける思いは強い。

 「自分が乗ってG1を獲れなかった馬がドバイで勝って、また依頼をもらった。期待に応えたいし、一緒にG1を獲りたいという気持ちは強いですね」

 帰国初戦がどうか。初のマイルがどうか。そんなことは重箱の隅をつつくような話だ。

 「チャンピオンホースが出てくる。みんながそこを打倒しようという気持ちだろうし、自分もそこしか考えていない。楽しみはありますよ」

 出来、そして舞台設定に不足はない。モーリスの尻尾はハッキリと見えている。

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2016年6月2日のニュース