【安田記念】イスラボニータ圧巻の瞬発力!復調告げる“黒ヒョウ走法”

[ 2016年6月2日 05:30 ]

まるで黒ヒョウ!!圧巻の瞬発力を見せたイスラボニータ(手前)

 「第66回安田記念」(5日、東京)の追い切りが1日、美浦トレセンで行われ、14年の皐月賞馬イスラボニータが切れ味満点の末脚を繰り出した。今春2戦は不本意な結果に終わったが、復活へ望みをつなげる走りだ。最有力候補モーリスの最終追いは2日、東京競馬場で行われる。

 獲物を追う黒ヒョウのようなストライドだった。イスラボニータと先行する僚馬2頭との差は向正面でおよそ15馬身。4コーナーでもまだ5馬身以上の開きがある。圧巻のシーンはラスト1F。主戦・蛯名の手綱が緩んだ途端に漆黒の馬体が躍った。まばたきする間もなく内から鼻面を合わせてのゴール。前肢をほぼ水平に伸ばす絶好調時の走法こそ影を潜めたままだったが、大きな跳びでWコース5F65秒9、ラスト1F12秒0の瞬発力だ。

 「反応も良かったし、今年3戦目で気持ちも入っている。ゴール前で馬体をぴったり合わせる予定通りの調教ができた」と蛯名。その傍らで栗田博師が言葉を継ぐ。「(蛯名には)前の馬との間隔を空けて、追い出しをぎりぎりまで待ってもらった。集中力をつけるために、この中間はそういう調教を重ねている」。1週前追い切り(5月25日)でも10馬身以上後ろから直線だけ脚を伸ばしてWコース5F64秒7、1F11秒9をマークした。

 昨秋までG1戦線で首位争いを演じながら、今春は中山記念9着、大阪杯5着。不本意な結果に終わった。「気を抜く面があるんだ。中山記念でもレース後、すぐに息が戻っていたように本気で走っていない。何とかしたいと思って努力している」(同師)。復活を懸けた勝負手が、離れた後方から気持ちを最後の1Fに集中させる調教だ。

 「マイルは2000メートルに比べれば折り合いがつくはず。東京には実績もある。相手はかなり手ごわいが…」。蛯名は慎重な口ぶりだが、獲物を追う黒ヒョウの動きが復調を告げている。栗田博師は「昨年の安田記念は(左前球節の負傷で)出られなかっただけに今年こそは…の思いはある。正攻法でどこまで通用するかでしょう」と締めくくった。

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2016年6月2日のニュース