【安田記念】フィエロ 極上タイム1F12秒2「負けるつもりない」

[ 2016年6月2日 05:30 ]

動きの質が上がるフィエロ(手前)

 G1の舞台を含め重賞での2着は計4度を数える。そんなフィエロは“最強の重賞ノンタイトルホース”と呼べるが、成績ほどに甘い印象を与えないのは知将・藤原英師の手腕と表情にも起因する。G1だけでも8勝を挙げる実績で、今年も先月のヴィクトリアマイルを7番人気のストレイトガールでアッといわせたばかりだ。

 トレーナーが会見の席で「動きの質を上げる」と繰り返したのは調教の中身のこと。実際に初コンビを組むとあって2週続けて調教に乗ったルメールは「先週と今週で息遣いが違う。体もパワフルになっている」と、仕上げの妙には感心しきりの表情なのだ。

 その最終リハ。坂路でアウトオブシャドウ(古馬1600万)を2馬身後ろから追走してラスト1Fは左ステッキを1発入れて気合注入。ほぼ同時フィニッシュで4F51秒6~1F12秒2は極上のタイムだ。

 藤原英師は言う。「イメージ通り。凄いメンバーだけど負けるつもりで出すわけじゃない」

 相手には世界のモーリスがいる。ドバイの覇者リアルスティールもいる。胸を借りる立場のフィエロに勲章はないが、白旗など揚げていない。挑戦状を叩き付けんばかりの勇ましさに、不思議な魅力が充満している。

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2016年6月2日のニュース