【日本ダービー】ディーマジェスティ すさまじい末脚で2馬身先着

[ 2016年5月26日 05:30 ]

2冠へ黄金仕上げだ!!筋肉の鎧を躍動させ蛯名を背に力強く追い切るディーマジェスティ(右)

 春の2冠獲りへ万全!「第83回ダービー」(29日、東京)の追い切りが25日に美浦、栗東 トレセンで行われ、皐月賞馬ディーマジェスティが迫力満点のフットワークを披露。24度目のダービ ー挑戦となる主戦・蛯名正義騎手(47)も念願のタイトルへ手応えをつかんだ。

 皐月賞から1カ月半の成長がダービー制覇の条件だとすれば、この鹿毛の馬っぷりに栄光が注ぐのかもしれない。「凄い筋肉の張りだ。幅が出て盛り上がってきた」。ディーマジェスティの追い切りを終えた主戦・蛯名が新たな筋肉の鎧(よろい)をまとった鹿毛馬を頼もしげに見つめている。「まるでブライアンズタイムみたい」と大種牡馬の名を挙げると満足そうに言葉を継いだ。「体がしっかりしたから走りも変わってきた。手前(軸脚)の替え方がよりスムーズになっている」

 皐月賞優勝後、初めて手綱を取った主戦が成長を感じ取ったWコースの併せ馬。歴戦の古馬のように完璧に折り合いながら、ゆったりとストライドを伸ばしていく。先行したシャラク(5歳1000万)との差は4コーナーで約8馬身。アクションが静から動へ転じたのは直線に向いた瞬間だ。手前を替えると、すさまじい末脚を繰り出していく。シャラクを並ぶ間もなく2馬身突き放した。馬なりのまま6F80秒1、ラスト3F35秒7~11秒9の猛時計。「これまではカーブ(4コーナー)を曲がり切る前に手前を替えたりしていたのに…。体の芯が少し強くなったイメージ。道中、無駄な動きひとつしない点は皐月賞時と変わりない。賢い馬です」と続けた。

 二ノ宮師は追い切り後の厩舎での様子を見届けた上で会見に臨んだ。「リラックスしていたので安心した」と笑顔で切りだすと、この1カ月半の道のりを振り返った。「厩舎に置いて、ダービーでピークを迎えられるように調教してきた。大事なのはやり過ぎないこと。そして、気負わせないこと」。1週前までスタッフの手綱で丹念に乗り込んできた。「ゆっくり並脚させたり…。2400メートルに対応できるような調教。この距離は血統的にかえっていいかな」と言う。

 祖母シンコウエルメスは現役時代、複雑骨折から奇跡の生還を遂げ、その血を後世に残した。「ブライアンズタイムが掛かった底力のある血統。ディープインパクト産駒の中でもちょっと違うタイプ」。誕生時から成長を見守ってきた同師は「自分の子供みたいな馬です。心肺機能が優れているのが最大の長所。共同通信杯までは前駆だけで走っていたが、後肢の力もついて理想的な姿になった」と締めくくった。

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2016年5月26日のニュース