【オークス】エンジェルフェイス 折り合い重視もあっさり2馬身先着

[ 2016年5月19日 05:30 ]

併せ馬で追い切ったエンジェルフェイス(手前)は軽快な動きを見せる

 「第77回オークス」の追い切りが18日、東西トレセンで行われた。栗東の名門・藤原英厩舎が2週連続のG1制覇を狙うのはフラワーCの覇者エンジェルフェイス。最終追いは2400メートルの本番を見据えたCWコース併走で牙を研いだ。

 5Fの最終追いに緻密な計算があった。エンジェルフェイスは実戦を見据えてのCWコース併走。鮫島良(レースはルメール)を背にして、先導役のヘミングウェイ(6歳1600万)の2馬身後ろから駆けだした。最初の1Fは17秒1。スローが予想される本番さながら折り合いに専念する。3Fからジワーッとペースアップ。最後の直線は体をぴったりと併せて気合を乗せた。ラスト1Fは滑らかに加速し11秒9。終始馬なりで2馬身先着。共同記者会見に現れた藤原英師は「いい調教。鮫島君も指示通りに乗ってくれました」と満足げに口を開いた。

 「リラックスさせながら、気持ちも維持させて、現状の力を出せる状態にはなっています。潜在能力は確か。あとは現時点でどれだけやれるかでしょう」

 必ずしも強気ではない。ただ、やるべきことはやったという自信はにじむ。決して馬に無理強いをしないのが“藤原英イズム”。だからこそ、フラワーCを逃げ切って桜花賞の出走が可能となっても、オークス一本の方針を曲げなかった。指揮官が明かす。

 「メンバーを見て(桜花賞の)着順やパフォーマンスは予想できましたからね。それよりは未知の世界でと思いました」

 正直、桜花賞で好勝負するのは厳しいとのジャッジだった。ただ、オークスに照準を絞って勝負すれば決してノーチャンスではない――。そう判断して、オークスに直行するローテが決定した。大一番で狙うのはフラワーCの再現だ。

 「前走はゲートを出てから凄くいい感じでした。ストライドの大きさを邪魔しない、あの形だとパフォーマンスが上がりますね。今回もいかにリラックスしてマイペースで走れるかが重要になります。競馬のスタイルは自然と決まってきそうな気がしますね」

 無理に行くことはない。ただ行けるものなら行かせてほしい。2週連続のG1制覇を狙う指揮官のシナリオ。逃げがかなえば成就の可能性はグンと高まるに違いない。

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2016年5月19日のニュース