【オークス】チェッキーノ100点 抜けているキ甲&屈指の距離適性

[ 2016年5月18日 05:30 ]

チェッキーノは首と背の境にある膨らみが同世代で抜けている

 “東西2強”はボディーで東のエースに軍配が上がった。鈴木康弘元調教師(72)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。「第77回オークス」(22日、東京)ではフローラS勝ちのチェッキーノを満点採点した。一方、桜花賞2着のシンハライトには95点。達眼が指摘する2強のボディーポイントとは…。

【オークス】

 この体形と立ち姿のどこに距離不安があるのでしょうか。チェッキーノはマイルに活躍馬が多い母系の血統から距離延長を不安視する声もささやかれているようです。でも、馬体が示しているのは2400メートルの適性。腹下がゆったりとしていて、胴が長い。胴の詰まったマイラー体形とは対照的な体つき。しかも、立ち姿に落ち着きがある。穏やかな大きな目をした美人顔で、四肢はしっかり大地を踏みしめています。温厚な気性なのでしょう。この体形と立ち姿で2400メートルが持たないとすれば、他に対応できる馬はいない。今年のメンバーの中で屈指のオークス適性を感じます。

 3歳春のクラシックが完成度の勝負だとすれば、その勝負にも一日の長がある。キ甲(首と背の境にある膨らみ)が抜けているのです。馬の場合、地面からキ甲までの長さを体高(身長)としており、この部位の発達は成長や完成度を示すバロメーター。キ甲が高く盛り上がるのと同時に肩が寝て、胸が深くなり、前肢がより前へ伸びるようになる。この部位が抜けてくるのは3歳夏から4歳にかけての時期が比較的多いのですが、チェッキーノは3歳春の段階で抜けているのです。

 そんな完成度の高い骨格には柔らかそうな筋肉をしっかりと付けています。筋肉が柔らかいと、レースで柔軟に対応できる。他馬とぶつかったとしても、バランスを戻すのに時間がかかりません。一戦ごとに馬体重が増えているのもとても良い傾向です。小さめの飛節、膝、球節を除けば、非の打ちどころがない馬体。距離適性と完成度でライバルをリードしています。

続きを表示

2016年5月18日のニュース