【天皇賞・春】サウンズ ぶっちぎった6馬身!佑介「凄くいい」

[ 2016年4月28日 05:30 ]

藤岡佑を背にしたサウンズオブアース(右)は併せ馬で追い切られ余裕の先着

 春の最強ステイヤー決定戦「第153回天皇賞・春」の最終追いが27日、美浦、栗東トレセンで行われた。G1・2着2回の“最強の2勝馬”の5歳馬サウンズオブアースはパートナーを6馬身ちぎる圧巻の最終追い。再コンビを組む藤岡佑はG1挑戦70回目の挑戦で人馬悲願のG1初制覇に闘志。高松宮記念→桜花賞に続き、出走機会G1・3連勝の偉業に挑む父・健一師との夢の父子G1制覇の期待が膨らんでいる。

 天皇賞に懸ける熱い思いを、サウンズオブアースが体現した。再コンビの藤岡佑を背にCWコースへ。スムーズに折り合いを付け、アンバーグリスキー(4歳500万)の3馬身後ろを静かに追走した。直線に入ると一気にギアチェンジ。内から一瞬で並びかけ、引き離す一方。鞍上のアクションに力強く応え、ぶっちぎりの6馬身先着。惜敗続きなのがうそのような、スカッと爽やかな猛デモだ。

 3歳秋の神戸新聞杯2着以来、実戦でコンビを組む藤岡佑は「(父の健一師から)しっかりやってくれ…の指示。素晴らしかったですね。いい反応でした。凄くいい状態。全体時計も(ラスト1Fの)しまいも速い」と笑顔で切りだした。

 父は高松宮記念(ビッグアーサー)→桜花賞(ジュエラー)で2戦連続G1制覇と今や時の人。昨年8月29日小倉競馬の落馬で右大腿骨骨折を負った佑介は常に存在を意識してきた。手術とリハビリを経て、今年2月13日に復帰した鞍上は「この馬には乗っていない時もずっと気にしていた。乗れる機会があったら、こう乗ろうというイメージは持っていた。(神戸新聞杯の)3歳の時より全体的にパワーアップして、古馬らしくなった」と再タッグの喜びとともに、重責も感じている。「乗り方?それは心にとどめておきます」と表情を引き締めた。

 最強の2勝馬。3歳時のはなみずき賞(14年4月)を最後に丸2年間勝ち星はないが、重賞2着が実に6回。菊花賞、有馬記念の銀メダルもある。父の健一師は「長距離輸送で減る傾向を意識し、日経賞(2着)は想定より太め。今回はしっかり仕上げた。距離延長も京都もプラス。逆転できる要素はある」と目を輝かせた。さらにG1挑戦機会3戦連続優勝に向けて「二度あることは三度あるという。勝てれば一番いい」と意欲的に語った。

 健一師は高松宮記念で延べ43頭目の挑戦でG1初制覇を飾ったばかり。G1挑戦70回目で初制覇が懸かる佑介は、父の勢いこそが最大のアドバンテージだ。佑介は「馬の出来に僕が応えなければいけない。勝ちたいという気持ちが伝わるレースをしたい」と誓った。藤岡父子の夢成就の瞬間が刻一刻と近づいている。

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