菜七子ついにJRA初勝利!デビュー51戦目、うれしくて泣いちゃった

[ 2016年4月11日 05:30 ]

JRA初勝利を挙げた藤田は記念品のターフィーのぬいぐるみを頭上に掲げて笑顔

 アイドル騎手、菜七子がついに勝った!JRA16年ぶり7人目の女性新人騎手・藤田菜七子(18)が10日、初参戦となった福島競馬場でデビュー51戦目にしてJRA初勝利を挙げた。9Rのサニーデイズ(牡5=相沢)で直線2番手から抜け出して快勝。JRA所属女性騎手の勝利は04年6月20日に増沢(旧姓牧原)由貴子が勝利して以来、11年9カ月21日ぶりとなった。

【レース結果】

 デビュー51戦目にして初めて駆け抜けたJRAでの先頭ゴール。菜七子が引き揚げてくると、スタンドからは「おめでとう!!」の大歓声が湧き起こった。ゴーグルを外すと、目には涙が浮かんでいた。「歓声は聞こえていましたが、ゴールしてから、やっと“あっ、勝ったんだな”と。うれしくて…自然と涙が出てきました」とアイドル騎手は初勝利の喜びを語った。

 菜七子のJRA初勝利のパートナーは、単勝3倍で2番人気のサニーデイズ。管理する相沢郁調教師の指示は「逃げろ」だった。スタート直後、手綱を押して先頭を奪おうとしたが、隣の馬に主導権を奪われた。そこで菜七子は無理な先手争いを避け、2番手待機策に変更。直線入り口で先頭に立つと、場内からは拍手と「ナナコ、頑張れ!!」の声援が飛んだ。

 JRAに16年ぶりに誕生した新人女性騎手。3月3日に地方競馬の川崎競馬場で“ひな祭りデビュー”してから、大きすぎる期待を、1メートル57の小さな体に一身に集めてきた。3月24日の地方・浦和で2勝を挙げたが、主戦場であるJRAでは未勝利。注目度が増せば増すほど、初勝利への焦りは募っていくばかりだった。

 取材陣の前では気丈に笑顔で振る舞っていたが、1歳上の兄弟子・野中悠太郎騎手の前では、困惑の表情を見せることもあった。野中は「騎乗馬が人気になって、過剰に期待を懸けられることが多かった。結果を出せずに悩んでいた時期もあったみたい。この1勝で少しは楽になれたかな」と心中を思いやった。

 ようやく“初勝利”の重圧から解き放たれた菜七子は「このまま勝てないのかなと思っていたので…」と涙の理由を明かした。茨城県守谷市から駆けつけた両親も感激ひとしお。愛娘と対面した父・稔さんが「先頭に立ってからは声が出ました」と話せば、母・恵子さんは「ホッとしています。親は見守ることしかできませんから」と安どの表情を浮かべていた。

 土曜中山の9鞍と合わせてJRA女性騎手最多となる土日計16頭の騎乗を終えた菜七子は「少し疲れたけど、疲れないような体力を付けていかなければいけない」と早くも課題を口にした。さらに次の目標を聞かれ「競馬場に足を運んでくれている方、馬券を買ってくれている方のためにも、次の1勝を目指していきたい」と気を引き締めた。プレッシャーを乗り越え、経験値を積み上げた菜七子のさらなる活躍に注目だ。

 ◆藤田 菜七子(ふじた・ななこ)1997年(平9)8月9日、茨城県出身の18歳。根本康広厩舎所属。趣味は音楽鑑賞。特技は睡眠。目標の騎手はリサ・オールプレス。座右の銘は日進月歩。身長1メートル57、46キロ。血液型A。

 ▼根本康広師(師匠)とにかく、ホッとしている。もう少し早く勝てるかと思ったけど…。中央は厳しかったね。

 ▼相沢郁師(サニーデイズ調教師)売り上げも上がるし、活躍してほしい。

 ▼丸山元気(兄弟子)勝てて良かった。僕も同期の中で(初Vが)遅い方だったので、気持ちはよく分かります。

 ▼木幡巧也(同期)おめでとう。これからもお互いに、頑張っていければ。

 ▼坂井瑠星(同期)(競馬学校で)3年間頑張っている姿を見てきた。うれしいです。

 ▼細江純子(元騎手でホースコラボレーター)大変な注目をされる中ですから、ホッとされたことでしょう。

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