【桜花賞】2歳女王進化 “女弁慶”エンブレム満点越え110点!

[ 2016年4月6日 05:30 ]

阪神JF時から臀部の筋肉量が増し、さらに進化した重厚ボディーのメジャーエンブレム

 桜冠を射止めるのは女弁慶か女牛若丸か――。鈴木康弘元調教師(71)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。「第76回桜花賞」では昨年の2歳女王メジャーエンブレムに満点超えの110点、無敗3連勝のシンハライトには100点満点を付けた。筋肉量を増やした重厚ボディーのエンブレムと、流麗でしなやかな体形のシンハライト。対照的な東西2強の一騎打ちムードが高まった。

【桜花賞】

 昨年の阪神JF時に撮った写真をそのままコピーしたような立ち姿。メジャーエンブレムの馬体は一見すると、2歳の暮れの姿と同じです。トモや肩は牡馬のようなぶ厚い筋肉で覆われ、たっぷりとした腹袋は同じ角度まで引き締まっている。鋭い目つき、緊張感を持った耳の立て方まで同じです。ただ一点を除いて…。

 臀部(でんぶ)、人間のお尻に当たる部位の変化です。臀部の筋肉(臀筋)が阪神JF時に比べて長さも厚みも増している。2歳暮れの段階でズバ抜けた完成度を示す馬体でしたが、4カ月を経て、もう一段階成長したのです。臀筋は腰、トモの力を飛節に伝える重要な部位。推進力の要です。圧倒的なスピードとパワーで後続をねじ伏せた2歳女王のさらなる進化。それは血統の威力なのか。父ダイワメジャーも母の父オペラハウスも筋肉の塊のような競走馬でした。日々の調教で鍛え込んできた成果かもしれません。いずれにせよ、これほど臀筋の発達した牝馬は見たことがありません。

 強い者が新たな武器を得てますます強くなることを「鬼に金棒」、あるいは「弁慶に薙刀(なぎなた)」とも言います。桜花賞を目指すライバルにとっては同じ年に生まれてきたのがアンラッキーだったのかも…とさえ思わせる“女弁慶”。阪神JF時の馬体診断では100点を付けました。発達した臀部という薙刀が加わった以上、今回は満点超えの110点です。

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