【ドバイターフ】ムーア・マジックだ!リアルスティール海外G1制覇

[ 2016年3月27日 00:53 ]

ドバイ・ターフで優勝したリアルスティール(右)

 26日、ドバイ国際競走がメイダン競馬場で行われ、7Rのドバイターフ(G1、芝1800メートル)に出走したムーア騎乗のリアルスティール(牡4=矢作)が見事1着。今回の勝利は昨年2月以来。のちに2冠馬となったドゥラメンテを封じた共同通信杯から約13カ月ぶりの美酒となった。日本馬の海外G1での通算勝利は29勝。

 リアルスティールは、外枠から好スタートを切り、道中は外めの5番手をキープ。直線に入ってからも余力十分。新コンビ・ムーアの豪腕に導かれ、抜群の手応えで直線半ばから加速した。先頭に立ったベリースペシャル(UAE)を捕らえ、さらに最後に迫ってきたユーロシャーリーン(英国)の追撃も封じ、見事なVゴール(勝ち時計は1分47秒13)。立役者のムーアはクールな視線で、パートナーの強さを称えた。

 戦前からリアルスティールを管理する矢作師は「(ドバイに来てからも)絶好調。楽しみにしていてください」と語るほど仕上がりの良さには自信をもっていた。

 昨年はクラシックの主役と注目を集めたが、まさかの無冠。矢作師は「ひとつも獲れないなんて夢にも思わなかった。本当に悔しい1年でした」。だから今年に駆ける意気込みは相当なもの。半端じゃなかった。

 早くから今春の大目標を「ワンターンの左回り。ベスト条件」のドバイターフに位置づけ、休養明けの中山記念(3着)を叩き、今回、渾しんの仕上げを施してきた。

 出走予定だった10連勝中の昨年覇者ソロウ(調教中の外傷のため回避)が相手でも「負かすつもり」と臆することなく、愛馬の能力、そして厩舎力に自信を持っていた。

 矢作厩舎は、これまでドバイをはじめ香港、イギリス、オーストラリアと精力的に海外に遠征してきたが、そのたびに世界の壁にハネ返された。それでも挑戦の姿勢は曲げない。崩さなかった。

 「自分を含めてスタッフがほかの厩舎にはないくらいの経験が積めた」と指揮官が語気を強めた。国内でもリーディング争いの常連となり「収穫する段階に入った」と、今回は過去最高の手応えで臨み、ついに結果を出した。

 リアルスティールが海外で初G1制覇。今後は日本国内のG1戦はもちろん、海外のビッグレースにも、積極的に挑戦し、スターホースの道を歩んでいく。

 ◆リアルスティール

 血統…父ディープインパクト、母ラヴズオンリーミー(母の父ストームキャット)
 生まれ…12年3月1日、牡4歳
 馬主…サンデーレーシング
 生産者…北海道安平町のノーザンファーム
 戦績…9戦3勝(重賞2勝目=海外1戦1勝)
 総獲得賞金…約6億4182万8000円

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